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「遊ばないの?」
「遊ぶ遊ぶ。何する?」
「じゃあ怪獣ごっこ!」
「姉ちゃんが怪獣な!」
「よーしみんな食べちゃうぞ〜」
「「「「きゃああ〜!」」」」
ナマエが勢い良く立ち上がれば、子ども達は一斉に飛び散っていく。
十秒心の中で数えて、ナマエは逃げていく子ども達を追いかけた。
「ほーら捕まえた!」
「うわぁッ」
「このー!」
ナマエがヒョイッと一人を掴みあげると、他の子どもがナマエの足をぽかぽかと殴る。
それくらいじゃあ怪獣はやられないよ、とナマエはその子どもも一緒に抱えあげた。
後ろでウィンドが苦笑するのが分かった。これくらいがちょうどいいのだ、彼等にとっても私にとっても。
そんなことをしているうちに、子ども達はあっという間にナマエに捕まってしまった。
「あーあ、怪獣に皆やられちゃった」
「怪獣は最後に正義の味方にやっつけられるんだ!」
「ほ〜」
そんな無邪気にはしゃぐ子ども達に、ナマエは可笑しそうに笑っていた。
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