*
「ラザードにも伝えておいた。すぐに迎えが来るはずだ」
アンジールは翼をはためかせ、宙に舞う。
ナマエはその背中に声をかけた。
「心だけじゃない!」
「ナマエ…」
「アンジールは本物のソルジャーだよ!だから…仕事が終わったら、帰ってきてよ」
「…。」
「アンジール!」
「…そうだな、ナマエ」
アンジールは振り向いて、いつもの優しそうな笑顔を向けた。
ナマエはそれを見上げて、笑ってみせる。
「そうしよう」
アンジールはそう言って、今度こそ飛んでいってしまった。
「…アンジール」
「アイツは約束は守るぞ」
「うん…」
分かってる、アンジールは約束を守る人だって
だけど…
どうしてか分からないけど
今のが、最後になりそうな気がして…
しばらく無言で、二人は教会を目指す。
アンジールは迎えが来ると言っていた。
ならば、早く花売りワゴンを作らなければならない。
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