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ナマエは可笑しそうに笑って先程の乗車代分をザックスの手のひらにのせた。
ザックスは呆気にとられたが、すぐにギルの入った拳をナマエに突き出す。

「いいってこれくらい、返す」
「財布に戻すの面倒くさい」
「んなもん渋ってどうすんだっての」
「じゃあそれで何か買って、私にちょうだい」

ナマエは意地悪い笑みを浮かべてザックスの拳を押し返す。
ザックスは仕方なしにギルを受け取り、ナマエを見返した。

「買うって、何を」
「ザックスに任せる」
「買ってから文句言うなよ」
「ザックスにセンスがあることを願いまーす」
「お前よりはセンス良いし」
「万年スクワットに言われたくないし」
「スクワットなめんなし」
「しししのしー」
「どんなノリだよ!」

そんな他愛ない話をしている間に、列車はプレート下のスラムに到着。
ホームを降りて、肩を並べて五番街スラムマーケットに向かう。
ナマエはキョロキョロと辺りを見回した。



「ウィンドいるかな」


「…さぁ」



その様子を、少しつまらなそうに見るザックス。


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