*
チン
｢あれ、ナマエじゃん｣
｢…何でスクワットだし｣
エレベーターのドアが開くと、誰も他に乗っていないことを良いことに、スクワットをしている人物がいた。
｢せめてエレベーターが止まったらスクワット止めなよ｣
｢なんで｣
｢目があった方の人が居たたまれないから｣
｢普通逆じゃね。俺が居たたまれなくなるよねフツー｣
｢そんなのいつものことじゃないですか｣
気に食わなそうにムスッとするこの人物はザックス。
どうやらソルジャーフロアから下りてきたらしい。
｢どっか行くの？｣
｢ううん、特には…ザックスは？｣
｢俺はスラム｣
ピクリ
あぁ、この言葉に反応してしまう自分が憎い。
ナマエはあまり表情に出さないように頷く。
｢花売りワゴン、作んなきゃいけなくてさ｣
｢ふぅん、そっか｣
やはり、“お花のお姉ちゃん”の所に行くのか
すると、ナマエは突然閉まったばかりのエレベーターのドアを開く。
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