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アンジールがジェネシスへと飛んでいってしまうと、ザックスの携帯が鳴り出した。

ピルルルルル

「ん…あ、エアリス」

その相手はどうやら、先程スラムで出会ったあの少女。
ザックスは緊急事態だというのにも関わらず、朗らかに対応していた。
ナマエは不謹慎なヤツ、と軽くため息をついて剣を構える。

「ほどほどにしてよ、もうすぐ“お客さん”が来るんだから」

空に雲が立ち込め、いよいよ切り裂くように召喚獣が現れた。
ザックスは現れた召喚獣を目にすると、電話越しにエアリスに謝る。

「ごめんな、あとから電話するよ。“お客さん”が来てるんだ」
「ずっと電話してれば良いよ。私が相手するし」

ピッ

「もう切ったっつの」

ザックスは携帯をしまって剣を取り出す。

召喚獣はバハムート・烈。
相手に不足はなさそうだ。

「エアリスから一言」
「何だって?」
「“お客さん”に失礼のないように、だとさ」
「勿論です」

ナマエは口角を曲げて、頷いた。



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