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その質問の応答に、付け加えるようにジェネシスが言葉をつむぐ。
ジェネシスは部屋の中央を横切り、実験用シリンダーの目の前に立つ。
不審に思い、全員が振り返る瞬間。
ドオォン
激しい閃光と爆風が辺りを覆い、シリンダーとその後ろの壁が大破した。
ジェネシスは腕に残る魔法の余韻を見送ると、ザックス達に向き直る。
「果たして“女神の贈り物”とは、俺たちにとってなにを意味するのだろうな…」
ジェネシスはそう言い残して、壁に空いた風穴から外へ飛び立ってしまった。
「おい!」
「兄さん!」
「待て、ジェネシス!」
ザックスとナマエはすぐにそれを追いかけようとする。
すると、後ろから勢いの良い羽音が聞こえた。
「アンジールッ」
「ジェネシスを追うぞ」
「あぁ!」
アンジールは掬い込むようにナマエとザックスを抱えると、ジェネシスを追うように風穴から外へ出た。
部屋には一人、腹を抱えるようにして笑う宝条が彼等を見送った…
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