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「一人にしてって言ったじゃん…」
「いい加減つまんねぇ、構え」
「機械をいじくり回して楽しんでたじゃん」
「一人じゃ虚しいし、変にいじって壊したし、弁償しなきゃいけねぇみたいだし」
「…何やってんの」
せっかくクラス1stになって給料上がったのに、弁償代で消えちまう〜とザックスはナマエの横で嘆いていた。
ナマエは呆れ顔で辺りの専門器具を見回す。すると、一つ煙を上げて大破している機械があった。
宝条の話によると、相当高額な値段で購入された試験マテリア体験装置だったらしく、ザックスは10年ローンで返済するらしい。
「…文字に弱い頭なら、機械にも弱いもんなんだね」
「誰が脳ミソまで筋肉だ」
「まだ言ってないよ」
「言うつもりだったのかよ」
クスクスとナマエは小さく吹き出す。その表情は先程の暗がりが薄れていた。彼の持ち味であるいつでも明るい性格が、ナマエの気を紛らせたようだ。
ようやく調子が戻ってきたかなと、ザックスは隣で彼女を見下ろす。
そうすれば、示しあわせたように視線がかち合った。
「ありがとね」
珍しく素直だな。と思わず口に出してしまったザックスは、このあと鳩尾を押さえて悶絶することになった。
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