探し物は、贈り物
知らなくて良かったかもしれない
こんな真実は、欲しくなかったのに
それでも私は、兄さんの妹でいられますか
それでも兄さんは、私の兄さんでいてくれますか
…貴方がまた、遠くなってしまった気がした
--探し物は、贈り物--
「落ち着いたか」
「…うん」
ヒョイッと目の前に、ザックスの顔が逆さまに現れた。
どうやら後ろに回り込んで、ナマエに覆い被さるように覗き込んだらしい。
ナマエはさして驚いた様子なく、浅く頷く。
おおよそナマエの反応を予想していたザックスは、次の手立てとしてクシャクシャとナマエの頭を撫でた。
「…なに」
「お前、まさか任務放棄する気じゃねぇだろうな」
「するわけないじゃん」
「じゃあ、もう少しシャキッとしろよな」
そんな調子じゃクラス1stから落とされるぞ、とザックスはナマエの腕を引っ張って立たせた。
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