*
フワリ
「…え」
そんな彼等の頭上から、突然何かが降ってきた。
それは純白の羽
思わず二人は立ち止まった。
アンジールが、突然現れたのだ。
「力を貸してくれ」
開口一番、単刀直入にアンジールはそう告げる。
しかし先刻の事情もあり、ナマエとザックスは眉をひそめた。
「どーだろ…アンタの考えてること、全然わからない」
ザックスの返答に、アンジールはもっともだ…と頷いた。
「実は、俺にも分からない…時々頭の中に、霧がかかったような感じになるんだ」
二人は思わずアンジールの言葉に聞き入る。
直感だが。今のアンジールは正気だと、思ったのだ。
彼自身の困惑と誇り、それらが拮抗しアンジールを苛んでいた。言葉の中に押し殺された葛藤が、二人に通じたのだった。
そしてアンジールは続ける。
「でもな…たとえどんな状況でも、俺は誇りを持たなくてはいけない」
このバスターソードが、共にあるかぎり。
アンジールはバスターソードを額にかざす。
それはいつもアンジールが、何かしらの度に行う行為だ。
やはり、彼を支える誇りは未だ健在である。
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