* 「何でって、そりゃお前が勝手に行っちまうから」 「あの人と、一緒にいればよかったのに」 「あの人?」 ザックスは首を傾げる。 ナマエはとぼけないでよ、と眉をひそめた。 「お花のお姉ちゃん」 「エアリスのことか?」 「多分ね」 それだけ言うと、ナマエはほおづえついてそっぽを向いてしまった。 そんなナマエの様子に、ザックスは更に動揺した。 「待て待て。何で俺がエアリスと一緒にいればよかったのに、なんだよ」 「仲良くなって、彼氏みたいで、寂しそうに溜め息ついて…何のつもり?」 私のことなんか ほったらかしだったくせに 声の外側の意味に、彼は気付くだろうか。 ザックスはそれに素早く反論する。 「仲良くなったのは確かだし、ガキが彼氏?とか聞いてきたけど、溜め息は別にエアリスに会いたくてついたわけじゃない」 「へぇ」 「しかも、俺はお前の事すっごい探したんだからな」 白々しい、と言わんばかりに目を細めるナマエ。 すると、ザックスは反撃に出た。 「そう言うお前だって、アイツ等と遊んでて、俺の事探してなかっただろ!」 [*前へ][次へ#] [戻る] |