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空のない街


黒い羽が目の前を舞う…
あぁ、見たことがある
兄さんの、翼だ

分からない…
今の私には
分からないことだらけ

ねぇ、結局
私はどうすればいいの




--空のない街--




「う…ッ」

ナマエは体に這う痛みによって目が覚めた。
軋む体を無理矢理起き上がらせる。

「此処…は」

ナマエは見知らぬ場所に落ちていた。
辺りを見渡すと、じめじめとした廃棄物ばかり。
体は芯まで冷えきっていた。

ナマエはゆっくり立ち上がる。
空を見上げると、やっと自分の置かれている状況を把握した。

空が、ない
真上の空は分厚い鉄板により、覆われていた。

「あ…私、プレートから落ちて」

じゃあ此処は、プレートの下
スラム街



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