*
「…!」
振り向くとそこには、体が宙を舞い、地面に倒れるジェネシス・コピーがいた。
決着はついたらしい…ザックスがコピーをなぎ払ったのだ。
そこには美しい黒翼が舞い散っていた。
「翼…?」
ナマエは息絶えたコピーのそばに駆け寄る。
彼の右肩から、黒翼が生えていたのだ。
「何で、翼が…」
「ジェネシスにも、こんな翼が生えてた」
ザックスはナマエの横に膝をつく。
綺麗な、翼
ナマエは素直にそう思った。
まるで
堕ちたことを嘆く
堕天使のように悲しげな…
「…子供の頃、翼があればいいと思ってた…天使みたいな翼」
唐突にシスネが呟く。
ナマエとザックスはゆっくりと立ち上がった。
ザックスは、フッと目を逸らして首を振った。
「人間に翼があったらそれは、モンスターだ」
ザックスは複雑そうな表情で投げ出された翼を見る。
ナマエはそんなザックスを見上げた。
何で
そんな言い方するの
なのにどうして
そんなに悲しそうなの
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