*
ザックスはそんなナマエを察して、自分の背の後ろに隠した。
「ザックス…?」
「何も見んな。アイツは本物のジェネシスじゃねぇよ…俺が何とかするからナマエはシスネを」
「わ、かった」
ザックスは最後にニッと笑ってみせると、今度こそコピーに突進した。
ナマエはそれを振り返らずに、シスネのもとへ向かう。
「大丈夫?」
「えぇ。ただのかすり傷よ」
ちょっと油断してた…と、シスネは苦笑した。
ナマエはシスネの押さえている袖をめくりあげた。
そこは既に痛々しく真っ赤に内出血を起こしていた。
「かすり傷って…」
「かすり傷程度の傷よ」
シスネは袖を直して立ち上がった。
「私はソルジャーじゃないから、人並みの怪我になるの」
「…ご、ごめん」
「何であなたが謝るの」
「え、だって…」
ナマエはすまなそうに肩をすくめる。
シスネは柔らかく微笑むと、首を振った。
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