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「有り難い申し出だが…」
「あら心強い」
ツォンが断ろうとすると、今度はシスネが割ってはいってきた。
それは快くザックスの好意を受け入れるとのこと。
ザックスは満足そうにツォンを見た。
ツォンは溜め息をついて肩を落とす。
「話の分かる子だなー。ナマエとは大違い、なーんて」
「どうせ可哀想だから助け舟出してくれたんだよ」
話を振られたナマエは、しれっとそっぽを向いてしまった。
ザックスはポカンと固まる。
そんな二人を見てクスッとシスネは笑うと、そのままLOVELESS通りに足を向けた。
「じゃあ皆、あとでね」
ウィンクして去っていくシスネを、ザックスは手を振って見送った。
ナマエは何かが疼くような感覚に、顔をしかめていた…
「おい、ナマエ」
「何?」
「何って…お前なんかヘンだぞ」
「知らない」
ナマエはフン、とザックスに背を向けて先を急いだ。
ザックスは困ったように首を傾げたが、すぐにその後を追った。
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