廻る星姫 ―スター・プリンセス―
悲劇
――それは、突然のことだった。
私が5歳になって間もないときだった。
お父さんとお母さんが仕事で海外に行くということで、私は知り合いの手塚さんの家に預けられていた。
1つ年上のくにみつくんと遊んでいたときに電話がきた。
そのときは、くにみつくんのお母さんの彩菜さんが電話を取った。
「はい、手塚です。 ・・・えっ!?
はい、はい、わかりました。失礼します。」
彩菜さんは真っ青になっていた。
「星奈ちゃん。」
怖いほど真剣な表情から紡ぎ出された言葉は、
「・・・お父さんとお母さんが乗ってた飛行機が落ちた?
お父さんとお母さんがしんだ・・・?」
私はブレスレットを痛いほど握り締めた。
「えぇ・・・、遺体は戻ってこないでしょうって・・・。」
うそ・・・、そんなこと視えなかった・・・。 ブレスレットをしていたから?
呆然とした私の様子にくにみつくんが心配そうに手を握った。
私は、その手を、握り返すことしかできなかった・・・。
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