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廻る星姫 ―スター・プリンセス―
氷室said
 
 通学路を歩いていると、ふいに携帯が鳴った。


ディスプレイには“星奈”。


オレはいきなりのことに驚きながらも、電話に出る。


『Hi! 辰也、久しぶり!』


「やぁ、久しぶりだね? セナ。

 どうしたんだい? いきなり。」


『あのね、やっと流さんから許可をもらったの!

 日本で生活する許可!!』


本当に嬉しそうに話すものだから、こちらも頬が緩んでしまう。


「へぇ〜、あの流さんからね・・・。

 結構頑固だったと思うけど、どうやったんだい?」


『ふふっ、一日中部屋に閉じこもってたの。

 あんまりにも譲ってくれないから・・・ね?』

 
「まあ、結局、流さんもセナには勝てないってことか・・・。

 で? いつセナはこっちに来るんだい?」


『ん〜と、三日後ね。

 私、リョーマと同じ高校に通うの。』


「リョーマと・・・。

 ということは、愛しの国光君がいるところだね。」


『ちょ、ちょっと! 辰也!

 からかわないで! 国光君とはそんなんじゃないんだから!

 そりゃ、一緒の高校に通えるなんてすごく嬉しいけど・・・。』


ちょっとからかっただけなんだけどな・・・。


「・・・ごちそうさま、もうお腹がいっぱいだよ。」


今頃、顔が真っ赤なんだろうな・・・。


『もう・・・。
 まぁ、辰也が元気そうでよかった。』


「まぁね、じゃあ、リョーマと国光君によろしく言っておいて。」


『うん、じゃあ、今度会いに行くね。

 またね、辰也。』


「あぁ、セナに会えるのを楽しみにしてる。またね。」


セナとの通話を切ると、タイミングを見計らったようにいつもの重みがのしかかった。


「室ち〜ん、今のだれ〜?」


「敦、重いよ・・・。

 それと、おはよう。」


文句を言うが、敦はおはよう〜とのんきに言ってまいう棒を食べる。


「で? だれ〜?」


いつもと変わらないマイペースぶりに苦笑しながら、
幼馴染だよと答える。


敦はふ〜んと興味なさそうにオレから離れて歩き出した。


 
オレはしばらく携帯を握り締めていた。


また、みんなでバスケがしたいな・・・。


そう考えながら、雲ひとつない青空を仰いだ。




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あきゅろす。
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