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圭×翔太
5
〈翔太サイド〉

「翔太!!」

俺が一人でぽつんと屋上で泣いていると、その原因の張本人が戻ってきた。
急いで涙を袖で拭く。


「翔太…」


それでもやっぱり涙は止まらなかった。

泣いてるとこなんか見せたくないのに…なんででるんだよ!!
自分で自分に怒ってみる。

その間に圭は翔太の近くまで来ていた。


気まずい沈黙がながれるー…


「あのさ…」

先に口を開いたのは圭だった。


「…さっきはごめん…本当になんか動揺しちゃって…変なこと言った」


俺はゆっくりと圭をみる。
圭は困ったように目をキョロキョロ動かしていた。


あの時の顔はなんだったんだ?

思い出して切ない気持ちになる…

なんでこいつのこと考えると胸が苦しいんだよ…

翔太は自分の気持ちがわからなかった。

その間も圭は謝ってくる。

「ホントにごめん!!翔太に恐い思いさせてっ翔太を泣かせるなんて最低だよっ」

圭の声は必死で、俺はそれが嬉しかった。

でも、違う。

俺が悪いんだよ…

俺は口を開いた。

「俺のほうこそごめん!!俺お前が…圭があんな顔するなんて…俺ひどいこといったんだよな…」

圭は驚いた顔をしている。
「最初は圭にはいなくなってほしいって、かかわんないでほしいって思ってた」

握り締めた手が汗ばむ。

「でも、俺…圭に『いらない』って言われた時、悲しくて悲しくてー…」

圭の顔がみれなかった。

「…え?じゃあ泣いてたのは恐かったんじゃなく…」

「いなくなって悲しかったんだ…////」

俺は突然恥ずかしくなる。

するとー…

腕をぐいっとひっぱられ、

やさしく圭に抱き締められた。

「…うれしい」

こんなに耳元で聞いたことがなかった俺は圭の艶のある優しい声にどきっとしてしまった。

よかった///顔が見えなくて

そう思ったのも束の間で、

圭は抱き締めていたのをゆるめると、まっすぐ翔太をみて、あごに手を添えた。
「じゃあ今日から僕達は恋人同士だ…好きだよ」

それは甘い甘いキスだった。




その後、俺たちはなんとか仲良くやっている。

相変わらず、圭はすぐ『好きだー』とか大声で言ってくるが、まぁ最近はそれもいいかなって思ってる自分がいて…

「しっかり圭のペースになってるよなー」

まぁそれでいっか!!

俺は今日も元気に登校するのだった。       


【つづく】

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あきゅろす。
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