[俺の彼氏は変態] 1 「はぁ〜…」 生徒達が賑やかに登校する爽やかな朝。 そんな中、俺は一人暗い顔で、学校へと向かっていた。 「………なんであんなことになっちまったんだろ。」 そう、全ての始まりは昨日の学校帰りでの言葉だった。 【ホモデビュー!?】 「心配してるなら、彼女になってくれ〜?意味わかんねーこと言うなよ。」 「?何が意味わからないんだ?」 ………はぁ。 思わず立ち止まってため息をつく俺は、木下凱(きのしたかい)、17歳。 純心学園という男ばかりの学園の高等部二年で、サッカー大好き少年である。 んでー… 今俺の隣にいんのは、沢北二郎(さわきたじろう)。 女顔の俺と違って切れ長の瞳に恵まれた体格、きれいな黒髪、という黙っていれば美しいこの男に出会ってから、約10年。 俺は何回もこの天然男に振り回されてきた。 いつだって損するのは俺で…… だから俺は今回もまた変なことを言いだしたぞって思っていた。 「何がって全部だっ全部!!彼女ってどういう意味だよ。」 「だから彼女は彼女ってことだ。」 「…………。」 相変わらず、ジローには普通の言葉が通じない。 天然といえば聞こえが良いが、俺から言わせればただのバカだ。 絶対バカ。 「だからぁー彼女つーのは、好きな女のことだろ!!!???しかも付き合ってる!!!」 [→] [戻る] |