◇光る風
E
「…はい。」
返事はしたものの、俺の中で不安が一気に広がる。
こんなんで仲良く遊べるのだろうか。
「じゃあ俺は仕事あるから、はなれの方にいるよ。敷地内はどこにいってもいいから。あっあと有希くんが具合悪くなったら、誰でもいいからしらせてくれるかな?」
「あっはい。大丈夫です。具合悪そうだったら、タマさんたちにすぐ言いに行きますから。一輝さんは仕事頑張ってください。」
「……ああ。ありがとう。有希くんをよろしくね。」
「はい。」
「じゃあ…」
「…………。」
はぁ……。
安心した顔でさっていく一輝さんの背中を見送りながら、俺はこっそりため息をついた。
…これからどうしよう。
はっきり言って、俺はだれにでも愛想よく出来るような器用な人間ではない。
一輝さんだからこんなふうに素直に話をきけるんだ。
俺は、未だ立ったままの有希ってやつを見た。
…笑えば、絶対可愛いのに。
たぶん。
つーか、とにかく話すところから始まんないとダメだよなー。
そう思い、俺が話し掛けようとした時、急にあたりに声が響いた。
「………ごめんなさい。」
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