◇光る風 @ 苦しくて。 悲しくて。 あんなに大好きだった光も…風も… 僕は、今… どうしようもなく、怖いんだ。 ◆ とある田舎の、ある少し大きな一軒家。 なぜか、昨日の晩、見知らぬ車が止まっていて、小さい村の中では噂になっていた。 「そういえば竜太(りゅうた)!!きいたか?車の話っ」 「あぁ。知ってるー桜木さんとこやろ?」 ただ今am8:05。 竜太16歳と同い年の孝志(たかし)は今から川で遊ぼうと山道を登っていた。 やはり、今日も八月ということもあって暑い。 「なんかすんげぇ立派な車だったらしいぜ?まっ桜木さんとこは金持ちだから不思議じゃないけどさ」 桜木さんというのはこの辺でも有名な資産家である。 そのため噂が広がるのが早いのだが、俺はその話を別の理由で知っていた。 「あぁ…なんか親戚の子がきてるみたいでさー…実は明日から、一輝さんに家に来いっていわれてんだよな。」 「え!!????なにっ!!??それってその親戚の子に会うの??」 「…たぶん。」 「えー!!??ずっりー!!なんでお前だけ呼ばれるん?」 [次へ#] |