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黒の誓い
 2


「いやあぁぁあ!」

レオニクスは秘処を慣らすため、とヴァルディスの指を受け入れさせられていた。
潤滑油を塗していても圧迫感も異物感も凄まじく何度もレオニクスは抗った。
だがそれをたやすく捩伏せられ更に深くえぐられて悲鳴をあげさせられる。


「いやだ…嫌…」


体内を掻き回されるのは吐き気がした。
狭い道を開こうと強引に含ませられた指はレオニクスに快楽を覚え込ませるためにうごめく。


「いやだ、嫌、ヴィー、やめて」


俯せに寝かせられシーツに顔を埋めながらレオニクスは懇願した。
ヴァルディスはそれに笑い、萎えているレオニクスの雄を撫でた。
びくんっと震える腰を押さえ付けてやわやわと刺激を与えていく。

「…くっ!」

ヴァルディスの巧みな愛撫のまえにレオニクスに勝ち目はなかった。
否応なしに追い上げられ、はしたなく濡らされていく屈辱に涙をこらえヴァルディスを睨みつける。
濡れた瞳で睨みつけられ、ヴァルディスは熱が高ぶるのを感じた。

「逆効果だ、レオ」

「ひあっ!」


先程から薄々気付いていて避けていた箇所を押せば面白いほどレオニクスは身体を跳ねさせた。

「やっ、何…?」

理性が吹っ飛ぶ快楽に戸惑った声をあげる。
ヴァルディスは笑みを浮かべ、そこを執拗に責めた。

「あぁっ」

「人間の男には中に感じる場所がある。ふっ、お前も造りは人間だったのだな」

「ひぁっ」

(おかしく、なる)


思考力が失われ体内で暴れる指に全神経が集中する。

「もう三本も飲み込んだ…初めてでこんなに感じるとはお前素質あるな」

パタパタと頭を振って言葉を否定した。
それにくつくつと笑っただけでヴァルディスは答えなかった。

ぐちゅっ、とレオニクスがヴァルディスの指を飲み込む音が響く。

「やだぁ…」


「ふっ、まだこれからだ。お前に分からせてやる」


ヴァルディスが指を抜き去った。
空気に曝された中がすぅっと冷えて身をすくませる。

「お前がどれほど愚か者なのか、知らしめてやろう」


ばさりっと背後で重たい音がした。
首を捻って見ると、ヴァルディスが衣服を脱いでいた。
真っ白く張り詰めた肌、鋼の筋肉に覆われた無駄の一切ない肉体。
そして、左肩に刻まれた契約な証。

その造形の完璧さにレオニクスは見とれた。


そそり立つ欲望の証が男らしさを象徴していて、思わず生唾を飲み込む。


「まさ、か」

「力を抜いておけ」

ヴァルディスはレオニクスを仰向けにすると足を開かせ腰を進めた。
あまりの熱さと比べ物にならない大きさによる痛みにレオニクスは悲鳴をあげる。


「いやあぁあっ…ひぐっ、あ、つっい……」


容赦なく狭い道を引き裂くように進んでくる、焼け付く雄。
痛い。

胸が、痛みで、押し潰される。


「どうし、て、いゃっあ、抜い、抜いてっ」


「力を抜け。辛いのはお前だ」

排除することは赦されず、受け入れることを覚えさせられる。
前を弄られて痛みを散らし、侵略を押し進められた。

「ひっ、あっ…」

腰骨が当たり、全て受け入れたことを知った。
裂けたと思ったが何とか受け入れたらしく血の臭いはしない。

「やめ、抜い、て、お願い、だから」

「駄目だ。赦さない」


ヴァルディスの制裁なのだ。
でも一体、何の罪を犯したというのだろう。


「動くぞ」

「まだ無理、あああっ」

馴染むのも待たずにヴァルディスが動き出した。
力強い律動に上にずり上がって逃げても連れ戻され更に強く打ち込まれる。

レオニクスはただただ翻弄された。

「お前が、死んだら」

律動の合間に囁かれる言葉。
理性を失ったレオニクスに聞こえている保証はなかったがヴァルディスは続けた。


「そう思ったら」

熱く痛いほどに締め付ける胎内。
全身に流れる脈動。
たゆたう魔力。
生きている、とその全てでヴァルディスに教えている。

「酷く怒りが沸き起こる」


泣き叫ぶ声も。
睨み付けてくる瞳も。
感じれずに死なせたかもしれない。

「肉体を失えば、何も感じれず、何も感じさせぬ」


その全てはヴァルディスのものだと誓ったくせに。

「あっ…うっあっ」


ふざけている。


「…っ」

嬌声に、表情に、欲情する。
もっと鳴かせてもっと求めさせたい。

「あっ、ヴィー…やっ」


ヴァルディスの愛撫にレオニクスは鳴くしか出来なかった。
ぐずぐずに溶けてしまいそうだ。
何が何だか分からない。

ヴァルディスの凶器がいい処を潰す度に強烈過ぎる快楽に襲われる。

合間に聞こえるヴァルディスの囁きにまた煽られる。

(ヴィー、の馬鹿、やろっ…)


縛られた感覚のない手でシーツを掴む。それで快楽を逃がせるわけでもなかったけれど、拠り処がない。

「お前は俺のものだ。お前の物ではない」


「あ、あっ」

一際強く打ち込まれてレオニクスの眦に涙が浮かぶ。

肉体がぶつかる音と濡れた音が部屋にこだまする。


「ヴィー…」

「…くっ」

レオニクスを攻め苛む声が艶を帯びて息をつめる。

その声の色っぽさにレオニクスの背中をぞくっと何かが走った。

「締め付け、すぎだっ」

「んっ、あっ」

「くっ…四千年ぶん、付き合ってもらうぞ」


ヴァルディスは目を細めラストスパートをかけた。

「出すから飲み込め」

「…!や、ゃっ、それはいやだっ、だすなああぁああーー!」


レオニクスの願いは聞き届けられず、どくっどくんっと体内に熱いものがぶちまけられた。

目を見開いたレオニクスを強く抱きしめヴァルディスは全て吐き出す。


「あ…あぁ…」

「レオ…」


一緒に白濁を飛ばしたのか、濡れる下腹部を感じながらレオニクスは目を閉じた。

体内では束縛の証がじわじわと熱を与えていく。


「まだ、終わらない」


「ヴィー…」


再び使われる腰に泣きながら、レオニクスはヴァルディスの腕にしがみついた。





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