黒の誓い
15※
獅子×竜
途中まで獣姦ぽいですが挿入は人型です
クリフはバスティアンの膝に頭を乗せ、楽しそうに話すのを眺めていた。絶えず鬣にくぐっている手が頭や額、肩を撫でる。甘やかすその手に身をゆだねるのは気持ちよかった。
うとうとしている間に話しは終わったのか、パチン、と端末をスライドさせる音がしてクリフは目を開けた。上目遣いにバスティアンを見ると、照れたように彼は笑った。
「起こしたか」
『寝てはいない。――いいのか、準備は』
「もう殆ど終わっている」
『そうか』
「ああ」
ふわぁあ〜あ、と大きな口を開けて欠伸したクリフはバスティアンの膝から頭をどかした。
すり、と頬に頭を寄せる。バスティアンは嫌がらずに受け入れた。もとからスキンシップは嫌がらなかった。鬣に潜り込んだ腕が引き寄せてきてクリフはすりすりと更に摺り寄せた。がふがふと息を漏らしながら鼻をひくつかせる。バスティアンの匂いはやっぱり色んなものを掻き立ててくれた。
『今日は用事は無いのか』
「ん?ああ、無いが」
『そんな風に触るから、我慢しきれなくなった』
「え?」
どさり、とバスティアンは押し倒された。ぐるんっと反転する世界。のしかかってくるふさふさした体にバスティアンは顔を赤らめた。
鬣の覆った首周りに手をやって突っ張る。拒絶か?と目を鋭くしたクリフに首を振ってみせた。
「結界だ」
小さく詠唱するとふわっと風が吹き、バスティアンのテントのまわりに完全防音の結界が張られた。
防御に秀でた風属性のバスティアンの結界を破れるものなどそうはいない。クリフは顔を上げ、満足そうにバスティアンの上のポジションをとった。
『クロノスでは人型を維持できん。意味はわかるな?』
「俺の魔力を…」
『お前は戦争を控えている。出来るだけ魔力を使わないほうがいい』
「だけど」
『大丈夫だ。いれるときは人型を取る。この体では満足に愛撫もしてやれないがな』
ざらつく舌で首筋を舐められるとびくんっと体がしなった。切り裂かれては困るので自分で制服を脱いでいく。黒い制服を脱ぎ去ると中の白いアンダーも脱いだ。ベルトのバックルに手をかけるとクリフが胸板を舐め上げた。
「んうっ」
『どうした。今日は酷く積極的だな』
「戦の、前だからな」
『お前は前線か』
「いや…俺たちは総指揮、そしてトドメだ。んっ」
ざらついた舌が刺激となる。震える手でバックルを外し、靴を脱いだ。ジジ…とチャックをおろす手で震え、みっともなく息を呑んでしまう。
『誘いなれてないか』
「っ。ストリップなんてしないからな…。やぁっ、うっ」
制御を失ったのか、バスティアンの背中にばさり、と黒い翼が現れた。同時に頭に生えた角がカツッと床にあたる。
翼が押しつぶされて痛まないようにクリフはバスティアンを座らせた。スラックスが引き抜かれた足は鍛えられているが日に晒されていないせいで白かった。
クリフは鑑賞のポーズをとって視線を注いだ。
『自分で解せ。俺はしてやれん』
「え?」
『早く』
クリフの目が急かす。バスティアンは息を飲んだ。
「でも、ローションとか何も…」
『指を出せ』
条件反射的に差し出された指をクリフは舐めた。
びくっと震えるそれを逃がさず丹念に舐める。たっぷりと唾液を絡ませて離した。ツ…と繋がった銀糸に顔が紅くなる。
『これでいいだろう。早くしろ』
「う、ぁ…」
バスティアンは泣きそうな顔で濡れた指を孔にあてがった。だが恐怖からかどうしてもいれられない。
指が進まないのだ。たちかけていた雄もしなれてしまった。
クリフはため息をつくと半獣形を取った。バスティアンの肩を抱いて深く口づける。
上あごをなぞり、舌を絡ませて目がとろん、としたところでバスティアンの指を掴んで差し込んだ。震え、のけぞるのを押さえつけて無理やり指を動かす。ぐりぐりと孔を刺激すれば性器である黒竜族のアナルは快楽をはっきり感じた。
「んぅ!んんっ、あっ」
「自分でココを弄って俺を迎え入れる準備を出来るくらいになれ。あっちでは俺がやってやるがこういうときは困るだろう?それとも俺を困らせたいか?」
「やっ、ちがっ」
クリフは囁きながらバスティアンの雄に触れた。ずるっと抜けそうになった指を目ざとく見つけ、クリフは鋭く言い放った。
「続けろ」
「ひぅっ。ん」
ぐちゅぐちゅと雄をすりたてられる。先端のつるりとした部分を指で強く刺激してバスティアンに喘ぎ声を上げさせた。ふと思い立って翼に触れると面白いほど反応したのでクリフはククッと口角をあげた。
「手伝ってやったんだ。ここからは自分でやれ」
ぐち、と耳をかんで吹き込むとバスティアンは震えながら頷いた。
しゅるり、とクリフが獅子に戻る。バスティアンは自分で孔を弄り始めた。言われるままに指を増やすと孔がきゅうっと締まった。クリフにされるようにと思い出して指を動かすと今度は萎えなかった。
『やればできるだろう?』
「あ、あっ、んんっ」
『感じるトコロを探せ』
言われるとおりに探る。なかなか見つからずに息を短く吐いてぎりぎりまで指を押し込んだ。
「ん、あっ、くり、ふ、わかんな、」
『感じれなければ辛いのはお前だ』
そっけなく言われる。竜も雄大だが獅子も貫禄がある、とこんなとき思いなおしてしまった。
唇をかんでぐるり、と指をまわしたとき、ある一点を掠めて自分でも驚くほどずくんっと腰に響いた。
「ひゃっああ」
『見つけたか』
もう一度、今度は確信をもって抉ると既に硬かった雄からごぷりと先走りが溢れるほどの快感に襲われた。
――気持ちいい。
いつの間にか大きく開いていた足にも気づかず、バスティアンは孔をえぐる指を早めた。雄をこする手も止まらない。
息も体温もあがる。イきたいのだ。達したくてたまらなくなっていた。
ぐしゅ、ぐしゅ、ぐちゅっ。背中の翼が開閉を繰り返し、白かった肌が赤く色づく。
卑猥な音をさせてバスティアンは自慰に夢中になっていた。三本の指を食んだアナルは柔らかく解れ、控えめだった乳首は赤く熟れている。触ってもいないのにぷっくりとたちあがり、存在を主張していた。
どくどくと熱が雄に集まる。
クリフが見ているとか自分は大将軍だとか頭から消え去っていた。
―もう少し。もう少しでイく…。
あと少しの刺激でイける。目をつぶって指でポイントをえぐり、イくと思った瞬間だった。
『達するな』
ピシャリ、と響いた声に反射的にペニスを握ってせき止めていた。イけなかった辛さと自分で握ってしまった痛みに涙眼になりながらイくことを許してくれなかった、今まで存在すら忘れていた夜の獅子を見た。
クリフは厳しい目でバスティアンを睨む。
ああやってしまった、と思った。
『ひとりで楽しめと誰が言った。まさしく淫乱な竜だな』
「ちがっ、クリフ、違うんだ…っ」
『何が違う。モノ欲しそうな孔をひくつかせて自分で苛めてペニスだってぐちょぐちょにしていたな。気持ちよかったのだろう?俺の命令を忘れるほど』
「やだ、ちがっ、違うっ」
『大将軍の誇りも形無しだな。そんな淫乱は何が欲しい?何を俺にして欲しい?そのいやらしい孔は指だけで満足か?』
クリフが追い詰めてくる。
その声が目が責め立てる。
ずくずくと疼くアナル。達したいとよだれを零すペニス。欲しいものなんてひとつだけだ。
「あ、くり、ふのがほしっ」
『はっきり言え。おれの何が、どこに欲しいんだ』
捕食者の目。支配者の声。バスティアンの秘められた被虐性を見抜き、自分だけのものにした獅子がチェックメイトをかける。
『言えないなら、テントから出て行ってやるから自分で処理するんだな』
バスティアンが目を見開いた。
嫌だ。出て行って欲しくない。置いていって欲しくない。
言いよどんでいるとクリフが踵を返してしまった。
「ま、待て、いうからっ」
ぴたり、とクリフの足が止まる。
バスティアンは言い募った。
「おれの、アナルに、クリフのペニスをいれて…」
『いれてどうしてほしい?』
意地悪い要求も呑む。
「いれて、ぐちゃぐちゃに、クリフので、好きにして…くれ」
クリフが振り返る。しゅるっと人型をとったのを見てバスティアンは息をつく。
大股にあっという間に近づいてきたクリフはバスティアンの腕を掴み、孔から指を引き抜かせるとうつぶせにさせた。頭を絨毯に押し付け、腰を高くあげさせる。ぐち、と孔に指を差し込むと、柔らかく解れていてほくそ笑んだ。
もうガチガチの自分のペニスをあてがうとバスティアンがひゅっと息を呑んだのが分かった。構わずにずずずっと挿入を開始すると背中が強張る。
翼の爪が床に立てられ、衝撃に耐えているのがよく分かった。
大きいクリフのペニスが全ておさまる。離すまいと締め付ける孔に低い笑い声を洩らした。
慣れるのを待つなどせずに動き始める。
ごりごりと初めからバスティアンの感じる箇所を狙ってやると容易く精液を吐き出した。
「ひぁああ!!あうっっあああっ」
びゅくびゅくとはねる腰を押さえつけて射精の間も孔をかき回してやると先ほど少し戻っていた理性など吹っ飛んだのか喘ぎだした。
がくがく震える足。だが腰を支えるクリフの腕が倒れこむことなど許してくれない。
射精したばかりなのに半ば強制的にたたされたペニスはすぐに硬さを取り戻した。
「もっと啼くんだな」
「ひぁっ、あぁあああ!あぐっ、、」
ぐちゅ、ぐしゅっ、ぱんぱんっ。
肉体を打ち付ける音とバスティアンの涙混じりの喘ぎ声が木霊する。
結界の中は卑猥な空間と化していた。
決して柔らかくは無い尻たぶを割り開き、更に深く侵入してくるクリフのペニスに思考も理性もかき乱され、痛みすらも快楽へ変換させられ、受ける刺激全てが悦びとなった。
体内に打ち込まれた灼熱のこれはクリフのものだ。そう思うだけでペニスがずくずくと唸った。
「もっと苛めてやりたいが、俺の、もあまり長くはもたん、」
「んうっ、あぁっんっ」
「俺の雌、お前だけが俺のプライドだ。俺はハーレムは作らん主義だからな」
「あっくり、ふ、ぅっ」
激しく打ち込まれる杭。何回目かの打ち込みで体内でペニスが爆ぜた。
膨らむ雄。どくどくと流し込まれる白濁にバスティアンは体を震わせた。そして自分も吐き出していたことに気づいた。絨毯は白く汚れてしまっているし気だるさが腰を襲っている。
大量に吐き出された白濁を全て孔で受け止め、ペニスがずるりと抜かれると腰があっけなく崩れた。
ぺたりと裸身を絨毯に横たえたバスティアンから翼と角が消えていく。
「はっ、あっ…」
余韻に熱い息を漏らしていると白濁と腸液に汚れたペニスが目の前に突き出された。
意味が分からずに見上げる。あぐらをかくように座りなおしたクリフは言った。
「舐めて、きれいにしろ。お前の口とお前の舌で」
「え…」
「これからは言われずともそうするんだ。分かったな、バスティアン」
つまりは舐めて後処理をしろ、と言っているのだ。理解したバスティアンは顔をそむけたが伸びてきた手に顎をつかまれてしまった。
「そんなにお仕置きされたいのか?淫乱は違うな」
「淫乱じゃないっ」
「ああ。俺以外に淫乱な姿など晒した日にはお前の愛しいペニスを噛み千切って血の海で抱き潰してやる」
「――っ」
――ちょっとときめいた。
物騒な台詞を平然と吐かれて、それが心から言っているのだと気づいて尚、ちょっと胸がきゅんっとしてしまった。
末期だと自己嫌悪に陥るバスティアンの頭を下げさせてクリフはもう一度だけ命じた。
「舐めろ」
それでもバスティアンは拒んだ。出来ない、と。
クリフの眼差しが瞬時に変わった。底冷えのするものだ。身を竦ませたバスティアンの体を引き倒しうつぶせにあぐらの上に乗せる。
そして尻をあげさせ、振り上げた手を容赦なく打ちつけた。
高い破裂音と、紅くなった尻、そして悲鳴。
「いだっ…なんで」
「俺の命令を二度も聞かなかった罰だ。セックスに関する俺の命令は絶対だと思い知らせてやらねばなるまい」
逃げようともがく体を押さえつける。この体勢だとバスティアンは力が上手く出ない。その間にもクリフの手は止まらず、何度もバスティアンは悲鳴をあげさせられた。
「ああああ!ゆるし、ごめんなさっ、いたぃっ!!」
尻なんて叩かれたことがない。その痛みは絶大でバスティアンは許しを請う羽目になった。
二十回を数える頃には痛々しいほど真っ赤になっていて腫れ上がっていた。
「ひぅっ、聞く、から、逆らわないから許して…」
「ああ、いい子だバスティアン。初めから聞いていれば罰など受けずに済んだのに」
こくこくと頷くはるかに年上の男を解放してやると、自らクリフのペニスに舌をはわせはじめた。
ぺろりぺろりと舐める様は明らかに慣れていなくて不器用だったが必死さが伝わってクリフは満足だった。優しく頭を撫でて綺麗にし終えたバスティアンを抱きしめた後で気づいた。
――風呂が無い。
自分はいいけど中に残ったバスティアンはまずいのではないか。
人型が解けてしまい、獅子に戻ったクリフは思案した。そして自分にもたれるバスティアンに聞いてみた。水を用意してこようかと。
頼むと返してきた彼に答えバケツに水をくんでもらって運んでくると体は拭くものの一向に掻きださない。
ハテナマークを飛ばしながら聞いたクリフにバスティアンはあっさりと答えた。
「体内に吸収されて魔力になる」
精液も食べ物扱いかよと思わず突っ込んだクリフだった。
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