cinderella 肩のまるみにくちづけふたつ 『教えて欲しいですか?』 「オーナー、それは俺の…んぐ!?」 土方が“俺の家だから当然ないですよ”と言おうとしたら、八戒がマヨネーズを土方の口の中に押し込みました。 『マヨネーズの居場所は僕しか知りません、三蔵』 「そんなことはどうでもいい。早くマヨネーズを出せ!」 『……。知りたくは僕と挙式をあげることです!!』 そうです。 八戒の作戦は、マヨネーズの居場所が知りたければ三蔵と挙式をあげさそうということです。 最後の願いは届くのでしょうか? 「挙…式…!?」 「三蔵、マヨネーズの為だ」 横から三蔵の耳元で囁く銀時の一言。 「…マ…ヨネーズの…為…?」 『いやいや、違いますよ!?マヨネーズの為じゃないですよ!!』 「まぁーいいじゃねーか、八戒さん。結婚するんだろ?」 軽く八戒の話を流されますが、土方が答えます。 『よ…良くないですよ!!!』 「これを着て機嫌を直してくれよ」 土方はどことなく[ウェディングドレス]出すと、八戒にプレゼントとしました。 『土方さ…!』 「ちょっと待って、多串くん。それは受け取れないよ。俺が予め用意したウェディングドレスを着るだからね、八戒が。」 『えっ…!?』 「なんだとっ!?毎日マヨネーズを買ってくれる八戒さんに俺がほんのお礼としてプレゼントするから、お前は黙ってろ!」 「だーかーら、三蔵の執事である坂田銀時が用意したウェディングドレスを着るんだよ。でないと、俺…昨日徹夜した意味がねぇーし」 「『昨日かよっ!』」 八戒と土方が同時にツッコミます。 息ぴったりです。 「……おい」 3人が騒いでいると、三蔵がゆっくりと口を開け話します。 今まで、八戒と挙式をあげるかあげないかを椅子に座り真剣に考えていた三蔵。 どうやら、決意したようです。 『三蔵はどちらが似合いと思いますか!?v』 物凄く嬉しそうに見て下さい!見て下さい!、と土方のドレスと銀時のドレスを試着しながら…八戒は三蔵に言います。 皆さんもご想像の通り、八戒はマヨ専門店で着ては脱いでいます。 「どっちでもいい!それより、行くぞ!八戒!」 『わぁっ///!』 先程、冗談半分で土方のドレスと銀時のドレスを同時に着ている八戒の手を引いて、教会へと向かう三蔵。 「「いってらっしゃ〜い」」 土方と銀時は、八戒と三蔵を見送りました。 ――――― ――― ――――バン! 勢い良く三蔵が教会の扉を開けました。 「玄奘三蔵様と猪八戒様、お待ちしておりました」 扉を開けると、如何にも挙式をあげると連絡を入れてたかのように…教会は準備がしてありました。 何故準備が良いのか、と三蔵が神父に尋ねると。 「坂田銀時様に頼まれました」 と一言。 こういう時に限って銀時は仕事が早いようです。 『三蔵様?もしかして…挙式を!三蔵、大好きです!!!』 「…あぁ(これはマヨネーズの為だ、そうだ。マヨネーズの為だ)」 何度も自分に言い聞かせている三蔵。 なんだかんだで、無事挙式をあげた三蔵と八戒。 願いが叶って良かったです。 いつまでも お幸せに。 The End [*前へ] [戻る] |