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先生B(神×佐)
神谷京一朗×佐伯祐介





いつからなんて
聞かれたら困っちゃうけど
そうだな、
あえていうなら
始めからかも。
あなたの事が
気になって
気になって
気付いたら
どっぷりとハマってた



先生B


「佐伯、チャイム鳴ったんだが?」

「へ??」

「授業始まるぞ。」

「えぇ!?!」

チャイムが鳴るのも気付かない程、夢中で遊んじゃってたの?俺ってかなり恥ずかしいヤツじゃん。

先生は全くいつもと変わらないけど、マジで恥ずかしいよ、うん。

「やっばい、もー行かなきゃ。」

俺の腕の中で、相変わらず甘える仕草をする子犬に目を合わすと、「行かないで」って目で訴えてくる。
もーそんな顔されたら授業出たくなくなっちゃうじゃん。
流石に教師を目の前にしてサボる訳にもいかず、仕方なく先生に子犬を手渡すと、寂しそうに瞳を震わせた。

「センセ、また、来てもいい?」

またコイツに会いたくて、遊びに来る場所じゃないって分かってるんだけど、伺うようにそっと聞いてみる。

「いつでも来い。」

そう言った先生は、素っ気無い言葉と正反対のあったかい笑顔で、一瞬つい見惚れてしまった。
だって、さっきの授業中の冷たく感じてしまう表情からは全く想像できない、素敵な笑顔だったから。

「お、俺授業行かなきゃ!
じゃーね、センセ。」

じぃっとコチラを見ている子犬をひと撫でして、ドキドキする心臓を押さえながら教室へと走り出した。
ちょっとだけ、先生の本当の顔を見れた気がして、なんだか…嬉しいかった。
ゲームで隠し通路を見つけたみたいな!
よし、またチビにも会いに行こう。
自分の中で、子犬を勝手にチビと命名した所で授業が始まったけど、頭の中はチビと、それからさっきの先生の笑顔でいっぱいで、内容なんかちっとも入らなかった。

「オマエ、さっきだいじょぶだった?」

授業が終わるなり、そう声を掛けて来たのは親友のヒトキ。

「え、なにが?」

全く心辺りがない。
なんか心配される様な事あったっけ?

「つーかやけにご機嫌じゃね?神谷センセに怒られてヘコんでるんだと思ったのに。」

「へ?」

「なんでそんなに機嫌良さげな訳?」

一応心配してくれてたらしいけど、全く検討違いだよ。
怒られるどころか、ちょー楽しい休み時間だったし。

「どーなのよ、なんかイイ事あった?」

興味津々な様子でこちらを覗き込んでくるけど、すんなり話すのはもったいなくて、

「ひーみつ♪」

と答えてやった。
だって話したら、俺だけの秘密じゃなくなっちゃうじゃん。
それって楽しさ半減でしょ?
あぁ、早く放課後にならないかなぁ!
今日は部活もないし、ソッコーでチビに会いに行くんだ。
腑に落ちない顔の親友を余所に、俺は放課後に胸を踊らせていた。






20090116




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