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先生@(神×佐)
神谷京一朗×佐伯祐介





その日は憂鬱だった。
理由は簡単。
だって1限目から
大嫌いな日本史の授業だから。
毎週水曜日は俺の一番嫌いな曜日だったんだ。

神谷先生が来るまでは。



先生


朝から既にやる気の抜けている俺は、それはもう完璧に油断していた。
朝のHRからウトウトしていて、そのまま意識が遠のいて、先生が入って来たのも、出席を取り始めたのも気付かず、居眠りをしてしまったのだ。
昨夜新作のゲームを、夜中までやってたのもいけなかったんだろう。

「……き。
…さ…き。」

んーなんだかうるさいなぁ。
大好きな犬と戯れる、そんな幸せな夢を見ていた俺の安らかな眠りを妨げようとする声。

「佐伯、起きろ。」

「!!」

遠かったその声が、急にすぐ耳元で聞こえ、慌てて眼を覚ます。

「そんなに眠いなら、帰れ。」

そこにいたのは、知らない人で…
ん?いや知ってる。
確か2年の先生だ。

「す、すいません。
大丈夫です。」

ハテナが頭を飛び交う中、とりあえず謝罪の言葉を口にする。
先生は何も言わずそのまま授業に戻った。

「こえー、
ハゲとはおお違いだな。」

後ろの席のヒトキがつつきながら話し掛けて来る。
ハゲってゆーのは、うちのクラスのいつもの日本史の先生の事で、かなり年配の気の弱い静かな先生だ。

「てか、なんで?」

さっきから全く意味が分からない。
1限て日本史だよな??
その疑問をヒトキに問い質す。

「あー、ハゲがさ、入院したんだって。詳しく知らんけど。
で、その間神谷センセーが代りに授業するらしいぜ。」

ふーん。
神谷先生かぁ。

「神谷先生ってこえーよな。
絶対零度の視線つぅの?
今だって帰れとかさ、」

「そーかな。」

さっきのは、大丈夫か?って気遣ってくれてるんだって感じたけど。俺は。

「そ…」

ヒトキが何か言って来ようとしたけど、先生の視線が飛んできたので話しは終了した。
いつもよりシンとした教室。
ピンと姿勢の良い先生の後ろ姿に、自分も姿勢をピンと伸ばした。



つづく


20081230


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