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小説
5


「…うっ」


パンツが唸り声をあげる。

パンツの唸り声はすこし掠れていて、そんなパンツの声は美優の興奮を上げる要素としては充分だった。


舌をなめずりパンツに近寄ると狙ったようにパンツが目を覚ました。




「パンツ」

内心舌打ちをしながら、本物の母であるかのような声色でパンツの名前を呼ぶ。



だが、パンツは美優の言葉に返答はしなかった。

苛立った美優はパンツの肩を掴み、こちらに向かせようとする。







グワシ











「…パンツ今からデートしましょ」


美優が放った言葉は疑問形ではない。


パンツはもう逃げられないのだ。

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