小説 ワインとパンツとパイナップル なあ美優… 耳許でパンツが囁く。 三味線のような、特徴のある声だ。 アタシはこの声だけで蕩けてしまいそうになる。 事実、アタシは昨晩も蕩けてしまった…危うくシチューの具になりかけた(笑) 昨日、アタシの家にパイナップルがきた。大学のサークルで仲良くなった女の子だ。 昨日はパイナップルと恋バナに勤しんだ。決して恋するバナナの略ではない。 パイナップルは確かに「パンツが好きだ」と言っていた。馬鹿言うな、パンツはアタシの男だ。 今日はパンツが泊まりに来ている。熱々のシチューが目の前に。 明日もパンツとおデート。だから早起きしてメイク頑張る。 ワインが旨い。 私はパンツの肩にもたれ、眠ってしまった。 目が醒めるとパンツはいない。 時計を見る。もう午前9時を回っていた。 なんだ夢か。 シチュー冷めた。 [戻る] |