[携帯モード] [URL送信]
セーラー服の誘惑

「せんせー」
「どーした?」
「ふられた」

ベル先生はふぅんとだけ言ってまたPSPの画面へと視線を向けた。ひどい先生だまったく。わかりきっていた反応に溜め息を吐き、遠慮もなくソファの上に積んであった本の山を退かして腰を下ろした。あんなに好きだったのに、これからも友達でいれるだろうか?…自信ない。

「てかお前好きな奴いたんだ」
「…」
「誰だよ」
「C組の、サッカー部キャプテン」
「ししし、身の程知らずのnameチャン♪」

うるさいな、言われなくてもわかってる。でもメールとか優しくて、笑顔も爽やかで…あんなの好きになるなっていうほうがムリな話だよ。おまけにずっと彼女いないから、告白してくれって言ってるようなもんじゃんか!ぶつぶつ愚痴る私にいつの間にかゲームを止めていたベル先生はガキ、と一言。

「なんでですか」
「つきあうなんてナンセンス。色んな女と遊びたい年頃なんじゃねーの?」
「…そんな人じゃないもん」
「ふーん?俺が学生のころはそうだったけど?」

先生最低、と言ったら笑われた。でも本当に案外そんな理由なのかも、と思ったり思わなかったり。ぼんやり考えていたら後ろからいきなり抱きしめられて変な声が出た。

「静かにしろよだれか来んじゃね」
「何やってるんですか!びっくりしました」
「好きな女が他の男のこと考えてて気分いいわけねぇだろ」

いつもの先生の声じゃなくて、冷や汗がでた。嫌なぞくぞく感に支配される。このままじゃ間違いなくヤバイ、ベル先生ってnameにだけ優しいよねと友達にいわれた言葉が頭のなかで再生される。

「じょじょじょじょ冗談ですよね!」
「ししっ俺がお前しかこの部屋いれねーの知っててそんなこと言ってんの?」
「…校長先生とかも、入る」
「ざんねーん、鍵俺しかもってねぇからムリ」

うそだうそだと喚く私の唇をベル先生の唇が塞いだのは本当にあまりに滑らかな流れすぎて抗うこともできなかった。王子が慰めてやるよと笑うのは悪魔か変態か。どちらにしろ最低です!どんと身体を押し返し部屋から飛び出す。意味わかんない!先生の馬鹿!ファーストキスだったのにっ…。あれっ私カバンどこやったっけ……ああぁ!!






(…すいませんカバン忘れました)
(一緒帰ろーぜ。何その距離感センセー傷付くんだけど)
(こ、これ以上はあげませんから!)
(差し出したくなるようにしてやるよ)



100227


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!