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DOOR MAT(567hit 土沖前提銀沖)*







iT Is beTTeR cHOOse youR FrienDs!










■DOOR MAT










先刻から雨が不快な湿気を孕んで降り続いている。
雨の日は特別憂鬱だとか、頭痛がひどいとかそんなことはないけれど、何となく不快なことには変わりない。





「アララ、湿気でいつも以上に膨らんでら」

雨宿りさせてくだせぇ、と訪ねて来た沖田は戸を開けた銀時の顔を見るなりそう発した。
そして手を伸ばし、銀時の髪に触れる。

「旦那、髪の毛やらかいんですねェ。誰かさんのはゴワゴワでいけねぇ」

誰と比べられているかは、言わずもがな。

「沖田くんは、」

心なしかニコニコしながら髪で遊ぶ沖田に、銀時は言いかけて止めた。

すると何かと問うように、沖田は銀時の顔を覗き込む。

髪に伸ばされた手を掴んでそれから、その頬や唇に触れたいと、思った。





雨は止まない。ノイズみたいに耳について離れない。






「…は?」


沖田から素っ頓狂な声が上がった。
銀時の唇が、意志を持って頬を掠めたからだ。
その唇が顎先を辿って首に落ちる。



「…だ、旦那?」
「知らないわけじゃないよね」


するり、銀時の手がシャツの中に滑り込んできた。
予想外の行動、そして冷たい感覚に、沖田は思わずピクリと肩を揺らした。


「や、何…」


知らないわけではない。その行為を、だ。
沖田ははっとして銀時の手を掴んだ。


「ゃ、やめてくだせぇ!…っ!」
「感度いいなぁ、お前」

沖田の乳首を爪でカリリと掻くと、制止の言葉とは裏腹に体は反応し始めた。


「多串くんにもこういうこと、されんの?」

銀時の手はやがて布越しながら沖田自身にやんわり触れ、

「ちが…ぁっ!」
「違わないでしょ、思い出してこうなってんだろ?」

ぎゅうと握り込むと沖田の膝からガクンと力が抜け、その場に崩れ落ちた。
それに覆い被さるようにして仰向けに倒し、沖田のスラックスの前を開く。

「いや、ヤだ、旦那ァ…」

抵抗しようと振り回した腕は弱々しく空を掴むだけで、沖田はついに泣き出してしまった。
だがそんな顔をされてはむしろ加虐心を煽られてしまう。


「ごめんね、銀さんSなんだわ」



優しい口調で、それはもう皮肉にしか聞こえない。








「うぅ、…っは、」


ぐ、と指を侵入させると、それは割にすんなり受け入れられた。

沖田は額を床に擦らせて、ひたすら恥辱に耐えているようだった。
その証拠に、目尻に溜まった涙はひっきりなしにぽろぽろとこぼれ落ちる。


「うぁ、ああ…、ぁあ!」
「お、此処がキモチイイんだ?」


核心をついたようで、ひときわ高い声が上がった。


「っ旦那、ぁ、」




はやく、はやく。



終わらせてくれと、彼は横目に訴えていた。



「そんなに急かすなよ」
「ヒッ…痛ぁ…!い、やぁあ…!」



指を引き抜いて、代わりに猛った雄を挿入してやる。
受容に慣らされているであろうその場所も、流石にこの時ばかりは悲鳴を上げるかのように窮屈だった。

「力抜けよ…」
「ふ、う、んぅ…」

頬を伝う涙ををちろり、舐める取ると沖田は抵抗を完全に止めた。
それに乗じて銀時は奥へと腰を進め、沖田の体を揺さぶり始めた。

「は、ぁあっ、ぁん!」

快楽に飲まれまいと、沖田は床に爪を食い込ませる。
腰を掴んでいた銀時の両手のうち、片方が沖田自身へと伸び、一気に擦り上げた。
それと同時に最奥を突かれて、沖田は背を反らせた。

「ひぁっ、あ、!ひじ、…土方、さん…!」

明らかに目の前の男とは違う男の名を呼んで、沖田は絶頂を迎えた。
つられるようにして、銀時も呆気なく達してしまった。



















「雨、止みませんねィ」



沈黙を破ったのは沖田だった。
銀時に背を向けたまま床に転がっている彼の声に、銀時はそうだね、とだけ応えた。

そこには先程までの陰鬱な空気はない。
ただ、いつも通りの微妙な間隔を保つ二人が在る。
それ以降、特に言葉を交わすことなく、互いに黙って雨が地面や窓を叩く音を聞いていた。


















このまま雨が止まなくて、君が帰れなくなるといい。
なんて。


次第に遠ざかってゆく雨音に、静かに願った。

























________________________
お待たせしてすみませんでした!
567hitリクで、土沖前提銀沖裏でした。

アレ?なんか似たような話が前にもあったようななかったような…きっと気のせいです。

リクエストありがとうございました^^*

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