王子様は、詐欺師。 Prologue. 「よう見とみんしゃい」 そう言って試合をする貴方。 かっこよくてドキドキした。 こんな想い、生まれて初めて。 貴方は一瞬で私を夢中にした。 私には恋なんて無縁だって、 そう思って生きてきたのに…。 憧れた。 近づきたくて、話がしたくて 貴方と同じ空気が吸いたくて、 好きで好きでしょうがなくて… 貴方が現れたあの日から、 心奪われたあの日から、 ずっとずっと、貴方を見てた。 生きる意味も持てた。 貴方に逢いたくて、 私は生きてるんだって。 貴方が、私の全てだった。 ―そんな恋をしたことが ありますか? 銀髪の髪。 やや猫背の姿勢。 独特の口調、口癖、性格。 個性的なプレイスタイル。 細くて白い身体に、 端正な顔、口元のほくろ。 全部、全部、大好きでした。 私と出逢ってくれてありがとう。 私を好きになってくれて、ありがとう。 私の名前を何度も呼んでくれて、 ありがとう。 貴方の全てに、ありがとう。 [*前へ] |