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いつかのための約束/リョ桜、桜乃視点

「どこにいるの…リョーマ君」


堀尾君達が話してた事をたまたま聞こえた。

『リョーマ君がアメリカへ行く』

堀尾君に聞いてみたら、朋ちゃんが言っていたから間違いないと言った。


どうしよう…
リョーマ君がアメリカに行っちゃう…

もう会えなくなっちゃう…!!
そう思ったら、勝手に体が動いてリョーマ君を捜してた。


テニスコート、部室、教室、裏庭…

リョーマ君が居そうな所は捜したけど見つからない。
まさかもう青学にいないんじゃ…

そう思いながらなんとなく屋上に行ってみたら、そこには1つの影が……



「リョーマ、くん?」

「…竜崎」


フェンスにもたれかけていたリョーマ君がそこにいた。

やっと見つけたリョーマ君は、何かを決意したような顔をして私を見つめる…


「どうかしたの、竜崎」

「あっ、えっと…その…」


何をやっているの、私。
なんでリョーマ君を探してたの…私。



「…竜崎?」

リョーマ君は、心配そうに私を見つめる。
…言わなきゃ。私がここに来た理由を…


「リョーマ君、アメリカ行くって本当なの??」

なんで知ってるの、そんな顔をしたリョーマ君。
やっぱり、アメリカ行くんだ…


「私、リョーマ君に言いたいこと、あるの…」

「…俺も竜崎に言っておきたいことあるんだよね」

「え…?」


竜崎が先に言ったら言うよ、そう言ったリョーマ君。
どうしよう…言葉が上手くまとまらない……



「リョーマ君がアメリカ行くって聞いて…私、もうリョーマ君に会えない気がして……」

そう言うと、リョーマ君はフッ、って笑ってこう言った。


「俺、桜乃が好き」

え…リョーマ君が、私の事好き??
ていうか今、下の名前で…


「ちょっと、なんで泣くんだよ」

「…あっ」


気付けば涙が流れてた。
リョーマ君は優しく、指で私の涙を拭った。



「俺アメリカに行って世界一になったら、お前の迎えにくるから…」

「…っ!!!」


『だから、その時まで待ってて?』





夏の終わりの夕方の風は、いつもより少し温かくて…

まるでリョーマ君みたいだな、と思った。








いつかのための約束
(いつかの日まで、待ち続けよう)


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あきゅろす。
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