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アオイライト/土ミツ、現代パロ

「……十四郎さん」

懐かしい声が聞こえ、振り返ると、そこにはミツバがいた。
悲しそうで、今にも泣きそうな顔をしながら、ただ俺の名を呼んでいた。



「      」

何を言っているのか聞き取れなかったけど、とりあえず俺は優しくミツバを抱きしめた。
その瞬間、ミツバの体が光に包まれて消えた。
俺は何故か、涙が止まらなかった。






アオイライト






「……夢か」

重い瞼を無理矢理開け、ゆっくりと起き上がる。
枕元にあった携帯を開き、時間を確かめる。

────5月26日 AM10:30
待ち受け画面を見つめ、あることを思い出す。



「…ミツバの、誕生日」

今日は数年前に亡くなった、自分の想い人、沖田ミツバの誕生日。
生きていれば、もう21歳にはなっていただろう。

自室のカーテンを開け、窓から見える青い空に目眩を覚えながら、適当に着替えてマヨネーズのたくさんかかった食パンを食べる。食後の一服に、煙草を吸いながら部屋の壁にある時計を見て小さく息を漏らす。


それからしばらくしてから、財布と携帯、車の鍵を持って家を出た。
車は市街から外れた所へと進む。向かう場所は、ミツバの墓だった。

最初はミツバの弟、総悟の所へ行こうと思ったが、総悟に何を言われるか分からないので、結局墓参りがてらミツバの墓へ行くことにした。



車を運転しながら、今朝見た夢の事を考えてみる。
ミツバの悲しげな表情の意味、自分が泣いていた理由はなんだったのか……考えても、何も分からなかった(今日は思うより頭が働かないらしい)

───あの時のミツバは、何を言いたかったのだろうか。
土方の頭には、それしかなかった。


いつの間にか、考えている間に目的地に辿り着き、駐車場に適当に車を停め、水を汲んでミツバの所へと向かう。
青い空に、心地良い風、たくさんの緑、ミツバの墓の周りには、ミツバが好きだったモノがたくさんあった。

墓に水をかけて、目を閉じ手を合わせる。暗い世界には、夢の中のミツバが何かを伝えようとしていた。




「…土方さん」

「総悟、か」

「ここで何してんでィ」


俺を睨んでくる総悟は、いつもと違って何か違和感があった。
その瞳は、何故か夢の中のミツバが見えた。



「土方さんがこんなとこ来るなんて珍しいですねィ。
今さら姉ちゃんに何の用ですか?」

「……別に、大した用はねぇよ」

「だったらコレ見てさっさと帰りやがれ」


そう言って、俺に一枚の紙を渡した総悟は花だけ添えて何処かへ消えた。

なんだコレ、なんて思いながら見ると、見慣れた女独特の綺麗な文字が並んでいる。
内容は短く、ただ『ごめんなさい』という言葉と、小さく『愛しています』という言葉が書いてあった。

コレが誰が書いたかなんて、すぐに分かった。






「……やっと分かった。」

あの夢でミツバが何を伝えたかったのか、自分なりにだが、ようやく理解出来た土方は、ミツバの墓の前で、小さく笑いながら煙草を吸った。





(アオイライト 初めての愛)






────────────────
1日遅れましたが、
ミツバさん誕生日
おめでとうございまーす!

初の土ミツです。
駄文+意味不明で
さーせんww

アオイライトの宝石言葉は、
『初めての愛』って事で、
土方は経験豊富だけど、
恐らく人を初めて愛したのは
ミツバさんだろうと勝手に
妄想しちゃいました!笑
きっと土方は、これからも
ミツバさんしか愛さないだろう
あたしはそう思います。


2009.05.27


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あきゅろす。
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