さらば青春、/R陣?+越前、バトテニ
楽しかった。
がっくんと一緒にお昼食べて、
ジロちゃんとお昼寝してサボったり、
侑士と勉強教えあったりして、
景吾にテニスを教えてもらって、
樺地とお菓子作りをしたり、
日吉に古武術なんか習ってみたり、
チョタと亮ちゃんの取り合いしてみたり、
亮ちゃんに恋をしてみたり……
中学校生活のほとんどをテニス部のみんなと過ごしていた。
テニス部のファンクラブとか名乗る女子達に、いろんな事をされたけど、みんなはあたしを仲間として受け入れてくれた。
友達なんていなかったあたしを、仲間にしてくれて……
嬉しかったし、楽しかった。
あたしは多分、お婆ちゃんになって子供の名前も覚えてないくらいボケても、テニス部のみんなと過ごした日々は忘れない。
「りょ…ちゃん??」
「……」
いや……
こんなの嘘…、ありえない。
亮ちゃんが…テニス部のみんなが死ぬなんて、ありえない…
「イヤだよ…起きて…またみんなでテニスするんでしょ??」
誰も返事をしてはくれなくて…
「いつまで寝てんのよ…風邪、引いちゃうよ?」
みんなの体が、少しずつ冷たくなって…
「お願い…置いていかないで……もう独りにしないで…」
みんなが、あたしを気付かないふりをして置いていく…
思い出が、記憶が、みんなが、あたしから消えていこうとする…
「へぇ…最後の1人ってアンタか」
「……越前、リョーマ」
「俺の名前覚えていたんだ。確か…美姫先輩、だっけ?」
コイツか……
みんなを殺したのは……
ムカつく。
あたしからみんなを奪っといて、ヘラヘラ笑いやがって…!!!
「…あたしの名前、気安く呼ぶなよ」
「そう怒んないでよ…、アンタもすぐに跡部さん達の所へ行かせてあげるから」
「はぁ!?どういう意味だ……っよ」
「バイバイ……」
痛い…
あのくそガキ、あたしを銃で何発も撃ちやがって…
くそ…!!死にたくねぇんだよ…
越前リョーマを殺さなきゃいけないのに…
体が思うように、動かない…
『…美姫』
……今の声は、亮ちゃん??
『美姫、もう無理すんなよ』
…でもあのガキ殺さなきゃ!!
『もういいんだ…みんなが待ってるから、美姫も早く来いよ…』
…待ってよ、置いてかないで。
「…これ、で……みんなとまた…」
さらば青春、僕等は永遠の明日を迎える。
「俺も、待ってる人がいるから…」
くそガキは、確かにそう言った。
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