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歪んだ愛、/ソウル夢、狂愛?

初めて恋をした。

今まで人を好きになった事なんかなくて、どうしたらいいか分からない。
誰かに相談しようと思ったけど、相方もみんなあの人が好きだから言えなかった。あたしはむしろ、相方の相談に乗ってデートのセッティングまでしてあげた。
みんなだけ良い思いするなんて、許せない。でもそんな事言えなくて、幸せそうに笑う相方をただ憎みながら、あたしは醜く笑った。

ある時、あたしは思い付いた。あの人をあたしのモノに<する方法を…。それは簡単なこと、でも誰も思い付かない。思い付いたって、誰も行動はしないだろう。
───あの人を殺せばいいんだ。
そうしたら相方が幸せそうに笑う事はなくなるし、あたしはあの人の永遠を手に入れられる。あたしったら、頭良すぎ。

待っててね、今から邪魔者を消してくるから。あたしとあなたが1つになれるまで、あともう少しだからね。




「…ソウルくん、ちょっといいかな?」

何も疑わずあたしの後ろを着いてくるソウルくん。


「なんだよ、こんな所に呼び出して…」

「アハハ、いきなりゴメンね。あたし、ソウルくんに言いたい事があるの」

「…言いたい、こと?」

「あたし、ソウルくんのこと…」


あたしは言いかけ、黙ってみる。気付かれないように、後ろに回していた手を武器に変えて一言呟く。

「ソウルくんのことが好き」
案の定、ソウルくんは驚いた様な顔をした。だって今まで友達のように接してきた人から、突然告白されるなんて普通は誰だって驚くよね。でもちょっと残念、最後に見る顔は笑顔って思ってたから。


「…好きなの、だから死んで??」

「は?……っ」


ソウルくんが声を発したのと同時に、武器である刀をソウルくんに刺す。赤い、紅い血がなんとも言えないくらい綺麗で、あたしは思わず綺麗だと声に出した。
苦しそうに倒れていくソウルくんが愛おしくて、これでやっとあたしのモノになると思ったら自然に頬が緩む。

口がパクパク動いていて、何かを伝えようとするソウルくん。あたしはその場に座り込み、口の動きをよく見て、何を言いたいのか理解してみようと思う。

「ア…リ…ガ…ト……ウ…
ソウルくん、今ありがとうって言ったの??」

小さく、力なく頷くソウルくん。
そして、最後の力を振り絞るような掠れた小さな声でこう言った。










「俺も…お前が好きだった…」




その言葉を聞いて、何かが切れたかのようにあたしは泣いた。好きだった…?ソウルくんが、あたしのことを……?あぁ、あたしはなんてことをしたんだろう。どうして殺しちゃったんだろう。手のひらにたくさんある、ソウルくんの紅いソレを見て恐くなった。あたしはいつから可笑しかった?──きっと最初から可笑しかった。


「いやぁぁ……起きて、ソウルくん…っ」

体を揺すってみたけど、目を開けることはなかった。



真っ赤ソレを見て、あたしは気付く。歪んだ愛の形、その愛の終わりを……







歪んだ愛、その先は、
(気付いた頃にはもう遅い。)


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