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伍萬打&2周年
本当はもっとちゃんと((越前




こんな性格だけど

あんたは理解してくれる?




【本当はもっとちゃんと】






「リョーマ待ってよ!」


俺の後ろを慌ててついてくる名前

そんなに慌てなくたって置いてく気はないけど


「…あんたが歩くの遅いだけじゃん」

「リョーマが早いの」


息を少し荒くしながらも必死に俺についてくる名前が可愛くて

本当は
名前が好きで好きで堪んないけど
俺は小さい頃から
自分から甘えることもした覚えがない
だから どうやれば甘やかすことになるのか優しいのかわからない


「手伝うって言ったのはあんたなんだから足手まといになるようなことはしないでよ」

「わかってるよ…この本をここの本棚に戻せばいいんでしょ?」

「うん」


…なんでこんな言い方でしか言えないんだろ

折角部活がなくて
図書委員会の手伝いをしてもらってて二人っきりなのに

いつもは一緒に帰れないから委員会の仕事を二人で片付けて一緒に帰ろうって
名前が提案してくれたのに


「…ねぇ リョーマ」

「煩いな 喋らないでやってよ」

「っ…ご、ごめん…」

「あ………」


苛々しすぎて思わず名前にあたってしまった


「っ…ごみ捨ててくる」


俺は気まずさに負けてごみ箱を持って図書室から出た

名前は俺のこの態度を見てどう思っただろう
流石に呆れた?


図書室から出てごみ捨ても終わったけど
気まずさに負けて出てきたから戻るにしても気まずいことに変わりない


でも
いつまでもうだうだしていてもしょうがないし 俺らしくない


「リョーマっ!」

「名前!?」


俺が図書室のドアを開けた瞬間満面の笑顔を浮かべた名前が現れた


「遅いよー もう全部本棚にしまい終わったよ」


中に入って見ると本当に全部しまい終わっていた


「…早いじゃん」

「でしょ?早く帰ろ」


名前は自分のと俺の荷物を両手に抱え俺に渡し一緒に校舎を出た


「一緒に帰るの久しぶりだよね」

「うん」

「あっコンビニ寄ろ?」


さっきの俺の態度なんて忘れたかのようにいつもの通り振る舞う名前を見て苦しくなった

名前の後を追うようにコンビニに入り

名前の好きなお菓子とファンタをレジに持って行き会計して外に出ると名前が慌てて出てきた


「ちょっと…っ」

「…今日手伝ってくれたお礼 俺ん家行こ」


そう言って名前の手を握って俺の家の方に向かって歩き出した


「リョーマは基本的に冷たいけど 私そんなリョーマも好きだから」

「…何恥ずかしいこと言ってんの?」

「素直じゃないリョーマの変わりに私は素直に思ったこととか言うの」

「あっそ」

「リョーマ手強く握りすぎー」

「…あんたが強く握ってるんでしょ」



嬉しくて
つい俺が手を握るのを強くしたのは名前にはバレてると思うけど
素直に俺がしたとは認めてなんかやんない




((あんたが理解してくれてるならもう少しこのままでもいいかな)

ツンデレ..★


101123


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