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伍萬打&2周年
惑わされちゃいけない((沢田




この顔の裏に

どうやって隠してたんだろう…




【惑わされちゃいけない】






「っ あ!」

「いってーな!気をつけろ」


荷物で前が見えなくて知らない人にぶつかり持ってた段ボールの中身をぶちまけた上に自分も転んでしまった

恥ずかしいし痛いしで床に転んでしまった体制のまま動けずにいた


「名前ちゃん大丈夫?」

「!つ、ツナくん!?」


顔だけをあげるとツナくんが心配そうな顔をしながら私を見ていた

他の人は私が転んでも見て見ぬふりをして通りすぎてしまって
一人ぽつんと転んでた私に声をかけてくれたことがすごく嬉し…


「こんなとこで転ぶとかどんだけ人の迷惑になるかわかってるの?段ボールの中身もぶちまけてるんだからさっさと起き上がって自力でかき集めて運びなよ」



…ううん
私を見て見ぬふりをしてくれる方が嬉しかった

早くやろうとは思ってたけど、こんな形で心を折られるとは思わなかった


「ほら はーやーくー」

「…はい」

「ほらほら いつまで床と仲良くしてる気?そんなにずっと仲良くしてたいなら俺が協力を惜しまないけど?」

「っ!! もう起き上がったから!!仲良くしなくて大丈夫なんでっ!」

「そう?上履き洗ったばっかだから綺麗だよ?」

「気持ちだけで充分です」


私は急いで起き上がってぶちまけた荷物を段ボールに入れる

…協力なんてしてもらったら
絶対上履きで踏まれて床との密着度をMAXにする気だ…


チラっとツナくんの顔を見るとすんごく残念そうな顔をしていたけど
私の視線に気づくとにこっと優しく笑ってく…


「俺の顔見てる暇あったらさっさと片付けろ」

「ごめんなさい」



気のせいでした

ツナくんの視線に堪えつつ段ボールに荷物を入れてくと足りないことに気がついた

キョロキョロと探すとツナくんの近くに落ちていて
見つかったことに安心して手を伸ばした


「いたっ!?」

「えっ 名前ちゃんの手がなんでこんなとこに伸びてきたの!?」

「…」


ツナくんは容赦なく私の手を踏みつけた
…気づかないふりをして


「…えっ…と…足を退けてくれると嬉しいなーなんて思うんだけど」

「大丈夫だよ 上履き綺麗だって言ったでしょ?」


ツナくんはにっこりと笑ったけど
上履きとかそういう問題じゃないんだよね


「うん 聞いてたよ、でも」

「信じない気?なんなら舐めてみる?」

「大丈夫です」


しょうがなく踏まれてない方の手でなんとか取るとつまらなそうな顔をしながら足を退けてくれた

手にくっきり上履きのあとを残して


「あ さっき校庭を上履きで歩いたんだった、忘れてた」

「気にしてないよ」



なんとなく
わかってたからね


「そう?じゃあさっさと運びなよ、俺の貴重な休み時間潰しやがって」

「…ごめんなさい」



何言ったってダメなのはわかってます
だから黙って運ぶしかない


「っあ!」

「え?っ!」

「あーあ たまたま落ちてた俺の上履きを踏んづけてバランス崩して転ぶなんて…馬鹿?」

「…ごめんなさい」




((いじめたくなっちゃうんだよね、わかるかな?)

黒、意外にS..☆


101123


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あきゅろす。
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