幻滅デイリー
名残惜しい、清純
別れながらに振り向けと願うのは、単なる我が儘なのか。振り返る君を待ちながら、じっと後ろ姿を眺めてしまう。ヒールの高い靴を履いて、男を誘うような歩き方。そんな姿に、猛烈な嫉妬をしてしまうのだ。見えない相手に向かって。
結局、俺はそれ程度。何と同等に見られているのかは知らない。ただ、何が目的なのか。金か、飯か、快楽か。もう、どうでも良かった。
浮気をすれば、ギャンギャン喚く。あたしは、あなたの何なのよと怒鳴り散らす。その言葉、そっくり返すぜ阿婆擦れ。悔しかったら、テメエもしてみろ。
便利な女が好きなわけじゃない。ただ、お前なんかの為にこの身は削れねえと気付いただけだ。お前の為なら死ねる、とかふざけた言葉に反吐が出る。偽善者ぶるな、被害者ぶるな。俺達はいつだって、加害者にしかなれない。
殺してやると言ってみろ、潔く刺してみろ。未遂なんて、みっともない真似するな。とどめを刺さなきゃ、俺がお前を殺しに行ってやる。
薬局で、処方された睡眠薬を貰う。飲まずに貯めて、多量摂取なんてしてみようか。服毒死なんて、頭脳明晰な死に方。でも、沢山の血が吐ける薬が欲しい。
俺は、俺を屍姦しながら生きている。
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