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それはたとえるなら隠れ家みたいな、4
※つづきまして、やはり百合な絡み

※みんな、とても変なひと

※ごくつなもつなひばもごくひば?も

※裏





「なんか、いいね。こういうの、」

「赤ん坊をお風呂にいれるのって、こんな感じなんだろうね」

心地よい湯船の中で雲雀に抱っこされるツナは、まるで母親に身を任せる乳児の心持ちだった。

恐怖の権化である彼に背中から抱えられる形は落ち着かないのに、雲雀がいたく幸せそうなので、ツナはジッと耐え忍ぶ。
対して獄寺は雲雀にツナをとられ、不服を全面に押し出した表情で湯船の反対側にもたれていた。

(み…密着してるなぁ俺たち……)
そこそこ広いが、やはり男子3人で入るときゅうきゅう詰めである。
ユッタリとからだを伸ばせるだけのスペースはないため、相手の足の間に自分の片足を挟むしかない。

密着具合も気になるが、入浴剤で透明な紫色のお湯に自分の子どものような体がぷかぷか浮かんでいるのも、ツナを何ともいたたまれない気分にさせた。
(ううう…)

ふと、獄寺と目があう。
彼は真っ赤になってしまい、もじもじと俯いてしまった。

「?」
「来世で僕がおんなに生まれたら、ぜひ沢田綱吉を妊娠したいな」
「はあ…」
「僕のお腹からきみが生まれてくるってとても素敵だよ」

ひばりさんが来世とか生まれ変わりとかをくちにするなんて。
ツナは感慨深くなった。

「悪くないと思うんだ。きみはマザコンだもの、そういうの、すごくいいね」
「ええッ、俺マザコンじゃないですよ」
「ふぅん?」

湯の中で雲雀の腕がツナの胸にまわされ、キュッと抱き寄せられる。
「よく言うよ。おっぱいの匂い、こんなに残してるのに」
うなじに鼻先を埋めて、クンクン匂いを嗅がれるとくすぐったいような気恥ずかしいような。

「たまんない。かわいいよ、沢田綱吉…」
「1人で悦に入んなよ、ヒバリ」
「なんだい獄寺隼人。きみも抱っこされたいの?残念だけどお断りだよ」
「だ れ が!独り占めしてねぇで俺にも10代目をよこせって言ってんだよ!」

(よこせって、獄寺くん、俺をぬいぐるみみたいに)

「やだよ、沢田綱吉は僕のだ」
「んなッ?!てめ…っ」

ちゃぷちゃぷ湯の表面が揺れ、獄寺の激しい動揺に何事かと思ったら雲雀が無表情で獄寺のペニスに足裏を押し付けていた。

「ちょ、止めろ!」
「僕のものをいやらしい目で見る犬にはお仕置きしなきゃ。一緒にお風呂はいるだけでこんなに大きくして、きみは発情期なのかい?」
「ぬ、濡れ衣です10代目っ、俺は決して10代目をいやらしい目でなんかっ…てか、しつけーぞヒバリ!」

「んあンっ」
「ひばりさん?」

雲雀のからだがビクンと震え、ツナを抱くちからが益々強まる。

「…獄、寺隼人、止めないと、か…咬みころす…っ」
「ハッ、おまえが先に止めろ」

(な、なにアソコ踏みにじりあってんのこの人たちーっ)

「く、…っ」
「んんッ。あ、あ、」

次第に向かい側の獄寺のしろい頬がピンク色に染まり、耳元には雲雀の喘ぎが吹きかけられて。
最初はドン引きしていたツナも徐々に妙な気になってきた。


(可笑しいよこんなの!)

(なのに…)




(……勃起しちゃったよ〜………)




「だめ、揉むな、ッぁ、はァ」
よく分からないが、今は獄寺が優勢?らしい。
足先を震わせ、雲雀の股間にバイブレーションを送りつつ指で揉んで攻めている。
雲雀からひっきりなしに吐息まじりの声が洩れ始めた。

「っ……ン、ひゥ、ン!」
獄寺の足の動きに合わせ、からだ中をぴくぴく跳ねさせる雲雀に興奮したツナは躊躇いと照れを投げ捨てた。

(不可、抗力、だよね)

湯の浮力を利用し、くるんと反転して前から雲雀に抱きつく。
「……?」

間近で見る雲雀の、湿気で張り付いた黒髪、雫で濡れた長いまつげに、官能的な顔つき……
「……ひばりさん」

(エロいです…!!!)

普段凶暴なひとが見せる艶事の最中の表情って、ほんとに色っぽい。
ツナはまじまじと雲雀の顔を見つめた。

「な、に、」
「ひ、ひばりさんのお顔、今とってもエッチです、」
「…っ」
「ね、獄寺くんの足でぐりぐりされて、アソコが気持ちよくなっちゃってるんですか?」

ごくり、唾を嚥下して。
大きな目をキラキラさせて問うツナ。
子どもらしい好奇心かも知れないが、雲雀はたまったものではない。

「あの、もう射精してしまいそうだったり、するんですか?ひばりさんのイく顔、見させて貰ってもいいですよねっ?」
「ッ馬鹿、」

ペニスを爪先でいじられながら、からだにはツナがコアラみたいに抱きついている異様な状況。
さすがに雲雀も羞恥が込み上げて、瞼を下ろしてぷいと面を背ける。

「言葉攻めっスか、渋いっス10代目…!」
「獄寺くん、もっと、足!」
「!?」
「はい、10代目っ」

信じられない。
そういいたげに、閉じた目を雲雀がすぐさま見開く。
しかし、言葉が出る前に怒涛の攻めが開始されてしまった。

「ちょっと待っ…やだ、やだ!やめてっ」

ツナの命令で調子づいた獄寺の足さばきといったら。
張り詰めた陰嚢を揉みしだかれ肉茎を足裏でいたぶられて、ひと息に快楽の頂点へと駆け上がる雲雀の脳裏に『嵐の守護者』という彼の通り名がよぎる。
すでに雲雀の足は軽く獄寺のそれに触れているだけで、もうやり返す余裕がなかった。

(あ、ひばりさんがイきそう……)

「獄寺くん、ちょっとだけ、ゆっくりしてみて」
「はい!」
ツナの指示に従順な獄寺の足の愛撫がゆるんだ。

意図を探ることも出来ない雲雀は、その隙に何とか逃れようと身を捩った。

だって、こんなに一方的に自分だけが嬲られるなんて聞いていない。
怖いものなど何もないはずの自分が、小動物に手も足もでず貪られてゆく感覚に快感がゾクゾクせり上がるのが、恐ろしかった。

「放…しな、よ…なんれ…ぼくが、ムチャクチャにされてんの、」
はあはあと苦しげに呼吸を繰り返す雲雀。

胸がツナの鼻先にチラつき、条件反射なのか、雲雀の桃色の乳首はツナにチュクっと吸い付かれる。
「う、?」

コリリと痛いくらい尖った胸の先。
皮膚が薄くて弱そうなソレは苛虐心に火をつけた。

「ひばりさんのおっぱい、勃ってる」

「ン…」

根元から上下左右に押したり曲げたり、好きなように愉しむと、雲雀の朱いくちびるはだんだん開きっぱなしになる。

さっきまでは無害な仔ウサギだったツナ。
こんな妖しい色を瞳の奥に浮かべて笑うような子ではなかったのに。

淫心が増幅し、やわやわと雲雀自身の形を確かめるだけの足先が、物足りなさを掻き立てる。
じれったくて、ついつい腰が揺れた。

「ひばりさんが俺を生んだら、俺はひばりさんのおっぱいを吸って、大きくなるんですよね」

その言葉に何故感じるのかは、はかり知れないがひくん、と雲雀のきれいな形の顎が上を向いて、潤んだ眼差しがより一層とろんとした。

(ひとつしか違わない俺が言うのもなんだけど、ひばりさんて、もしかして、ショタコン?)

乳首を無心に吸ってやれば、雲雀の腕がやがてツナのあたまを抱いて撫でてくれる。

雲雀の痴態に興奮した幼い性器を彼の腹に押し付けたら、
「ああぁ」
と、艶めいた声を出した。

(どうしよう、ひばりさん…すごい、イイ!俺、目覚めちゃいそうだ!)

「獄寺くん、ひばりさんをイかせたげて」
背後を完全にお留守にしたまま、ツナはワクワクして言った。
目の前で雲雀が絶頂を迎える様を想像するだけで、身震いしてしまう。

「任せてください10代目!」
「ああン!?」
「ひゃ、」

高い悲鳴は雲雀のみならず、ツナからもあがった。

「なに、やってんの獄寺くんっ」
「すみませんッ10代目のお尻がずっとプカプカお揺れになってたもんですから、ついでにっ…」
「なんのついで?!俺はいいから、…ふぁッ」

器用にも、足で雲雀を攻めながら、ツナのお尻を両手で掴み、揉み出す獄寺はもはやツナにも制御不能だ。

「も、獄寺く…」
「、ぁ…綱吉…綱吉……!」
一方、ほっぺを真っ赤にして眉を寄せるツナに、むずがる赤ん坊を連想した雲雀は益々たかぶり、頬摺りをしてきた。

「僕っ、出る、イッちゃう…イッちゃ、んァアアーっ?」

「ひう!!」

雲雀が乱れに乱れ昇天した拍子に、ツナもお湯の中で射精してしまった。

「…………」
(ひばりさんがHな顔してイくから俺まで出しちゃったじゃないか………)


三人揃ってしばし、茫然。


「…ごめん。俺たちだけ気持ちよくなっちゃって」
すまなさそうにツナが振り返ると、獄寺はへへへと照れ笑いを浮かべた。

「お気になさらず。俺も10代目のお尻を触らせて貰ってイッちまったんで…」

(俺よりうわ手のひと、いた!)


「…それより、ねえ」
億劫そうに雲雀が体勢を整え、一言放った。


「セックスって、今のであってるんだよね?」



「…さあ…?」

「そんなの知るか」

男同士のセックスって、どうすることなの?

湯煙がゆらぐ浴室に響いた雲雀の疑問に対する答えを、ツナも獄寺も、


持ち合わせていなかった。






**


やっぱりいやらしくない三人組。

多分この乗りで終わっちゃう。




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