1年前のこと
ガラッ
1年D組のドアを開けたのは、
理事長子息と魔王でした。
…え?
クラスメイト全員の視線がそちらに向くのを感じながら、我関せずを貫き通す。
訪問者2人の視線がこちらに向いている気がするのは勘違いだ。ビシバシという音が聞こえるのも、気のせいだ。
そもそもこんなチンピラが集まるクラスにエリートA組がなんの用なんだ。"俺"はこの3年を平穏無事に過ごしたいし、過ごさなければならない。
だからどうか。
この2人の目的が自分ではありませんように…
ポン、ポン
「君が檜原由宇希くんかいっ?」
そんな願いは、瞳をキラキラさせた無駄に顔が整った同級生と、黒いオーラを放ちつつ微笑みを維持するアイツによって、無残にも打ち砕かれたのだった。
そして、今___
南校舎の最上階、第三音楽室の扉が開かれる。
「「「「「「「いらっしゃいませ、お姫様。」」」」」」」
[*back]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!