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気まぐれ道
[2]










「真田源治郎幸村! 見参! 今川義元覚悟ぉお!…っ、?!」

「ちょっとー、旦那そんな大声出さなくっても…!」


もう一人、後ろから声がして、紅い奴は後ろに振り返る


「…、見ろ、佐助! 血まみれの ひょ、ひょっとこがおるぞ…!」ビシッと指を差されて固まる

後ろの男はチラリとこっちを見ると、紅い奴に向き直って宥めている

「…そーだねー、だから落ち着いてって…」

「うぉおおお! コレは親方様に報告しなければ!」

「ハイハイ、もーそれはいいから…」


目の前でなんだかアホな会話をしてる2人組

何かと叫んでいるのは赤い、とにかく紅くて額にはまた紅い八巻をしている男

んで、なんか宥めてる男は迷彩がらのこれまた赤髪の男。


今川は俺の後ろに完全に隠れて震えている






「そ、そなたが今川 義元か?」

さっきとは違う、うきうきとした感じの、キョドった声

「…違うけ「そうでおじゃ! 麻呂を助けたもう!」」

否定しようとすると、今川の声がかぶった

「何?! 人質をとるとは、なんとこそくな!」


紅い奴は、完全に悪人を見るような目で俺を見てくる

迷彩野郎はと言うと、ニヤニヤと笑って事を見ている

…あいつ、解ってんな…!


俺は、黙って今川を蹴った

コイツ…!


「…てめ、今何つった? あ"ぁ"ん?!」

「な、何も、お主が今川でおじゃろう…!」

「…てめぇ、しらキるつもりか?」

「…!、た、助けてたもー!」

「…、いい度胸してんじゃねーか…!」


そう言って、刀を振り上げて振り下ろしたが

キィーンと金属音がして受け止められた


「…人質をとったあげく、振りになればその者を斬りつけるなど、卑怯にも程があるぞ!」

「邪魔すんな! 言っとくが、俺は今川じゃねぇ!今川に雇われた兵だ…!」

「嘘を申す出ない!」

「…嘘じゃねぇ!」

「親方様は、今川は白い顔で能面のような顔をしておるとおっしゃっていた!」

「?」

そういってまた、今度は今川をビシっと指さす。

「その者は土色の顔だ! 今川では無かろう!」

さっき俺が押し倒した時に、顔が泥と化粧が混ざっただけだろうが…!

「意味わかんねーよ、お前! どう見たって泥だらけなだけだろーが!」

「な、何を云うか!」

「何って、正論だろーが! いいから、俺は今川じゃねぇ!」

「まだシラを通すか! そなたの顔はひょっとこのような顔をしておるでないか…!」


ギリギリと力で押される

この、馬鹿、力め…!


「…これ以上、邪魔をするってんなら…」

そこで一旦言葉をとぎり

刀を手放す

「…?……、!!」

「!旦那っ!」


勢い余って空振りした隙に、溝内に渾身の蹴りを入れる

紅い奴が吹っ飛ぶ

迷彩野郎が何をしようとしたか解ったみたいで

飛び出して受け止めた

その間に、俺はバクテンして刀を空中で取る。


「…おおっと、ごめんごめん、手と足が滑った」


ニヤリと笑って受け止めた迷彩野郎に刀を向ける


「…斬らなかっただけで感謝しろよ…?」

「…お前、何者…?」

疑わしい目

「旦那とこうも一方的に終わらせる程強い奴なんて」

観察する目

「今川には、いない筈なんだけどねぇ…」

気に入らない

「…只の、雇われ兵だけど…?」


そう言うと奴はデカい手裏剣らしきもの投げて来ようとした

だが、第3者の声でピタリと止まった。

「何で、竜の旦那がいんのー?」なんて言って。



「お前らだけで楽しんでんじゃねーよ」

「…楽しんでんのは竜の旦那だけでしょーが…」


迷彩野郎がはー、と為息をついて首を振る

それを新しく現れた青い男は見て笑う。


「…幸村を簡単に、やっつけちまう野郎と戦うなんて楽しい事以外ねーじゃねーかよ」

「…見てたの…?」

ギロリと睨まれて青い男は肩を竦めた

「Oh、恐い顔すんじゃねーよ」

「………」

迷彩野郎はだまりこむと俺を睨んで1歩ひいた




「お前の相手は俺だ」


青い男が俺に刀を突きつけてき、言った。

それって、刀を突きつけていう台詞か


「…俺、今川じゃないけど」

「そんなの関係ねーな、良いから始めるぜ…?」

「…どうしてみんな話し聞かない奴ばっか…?」


そういいながらもお互い踏み出し刀を交える

その時見えた刀の数に驚き、足に力を入れて踏ん張る


「げっ! 刀6本?!」

「〜♪、やるねぇ」

口笛なんか吹いて笑ってやがる

「…、反則だろうが…ッ!」


「お、おじゃー! 麻呂を守るんでおじゃー!」

その時、麻呂が戦闘中だってのに、足にしがみついてきた

「うっせぇ! てめぇ、その化粧落として逆さづりにしてやっからそこに居ろよ!」

「な」

「金はくれねぇ、身代わりにはする、変な仮面はかぶらされる!」

青い男の刀を弾き、今川を蹴って後ろに飛び言い切る

「とんだ一仕事だったよ…!」

同時にまた足を踏み出した時だった


「…、ええい! さっきから黙ってきいておれば、下衆の者が、調子にのりおって…!」


大人しくして居た今川が、懐から弓矢を取り出して俺に向かって構えた

足を止めて今川をみる

青い男も足を止めて、俺を見てきた。


「麻呂の扇を奪い取った輩がよくぞ言えたものぞ…!」


俺に向かって矢を放ってきた

俺は青い男に背を向けて、今川の方向に

矢が飛んでくる方向に向かって走った。

そして、矢をたたき落とす。



怯えて尻餅を着いた、今川の襟元を右手で掴む


「…調子に乗ってんのはそっちだろ…?」

「お、おじゃ…お…、」

「俺がお前を守ってるとでも?」

そう言ってギリギリと首を絞める

「ぁあ、…、ぁ…」

「殺さない、殺せないとでも?」

「…、…」

「…チッ、」


完全に怯えて、何も喋らなくなった今川に舌打ちをし

襟元を離し

懐を探る

するとチャリ、と音がしてカネとキンがでてきた


ブチッと、頭の中できれた


黙ってそれを投げ捨て、今川の頭の帽子も投げ捨て

髪をわしづかみにする


「…おい、なにすんだ?」と青い男が聞いてきたが無視


「「!!」」

「ぶっ」

目の端で、驚いて目を見開く2人が見えた

しゃがんで仮面をまた上げる


「…雨で良かったねv」


そういいながら、水たまりに埋めた顔を上げさせ

下からのぞく


「…、おっ前、酷い顔ー!」

「や、止めるでおじゃー!」

「お前、自分の顔鏡で見た事あんのー?」

「ひ、酷いでおじゃるー」

「だから、酷いのはお前の顔だってーw あはは!」

「〜、!」

「な、お前らも思う、だろ?」


あまりにも壮絶な光景に思わず首を縦に振る二人


「な、…っ〜!」

「やっぱそう思うよな〜、うん、よし」


立上りぱんぱんと手を叩くと、2人に向かって良い笑顔で提案

2人は初めて見えたれいの顔に驚き、固まる


「こいつの首いるw?」

















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あきゅろす。
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