[携帯モード] [URL送信]

シスター&ブラザー!
その姉、見直す。

「まず、お前が俺にしてくる嫌がらせはいつ終わるのか話そうか」

「一生終わらないし、やめないわよ」

「なんだと?」

「そんな、顔真っ赤にして、喜ばなくてもいいわよ「俺は怒っているんだ!」



シスター&ブラザー!



源田の言う通り、美咲と話をしようと屋上まできたのだが、やっぱりまともに話ができるわけなく、なんでこんなに俺は嫌われているんだ…


「一体なんで俺のことをそんなに邪険にしているんだ お前は」

「ムカつくんだもん!」

「…その理由を聞いているんだが?」

「だから、ムカつくから」


…こいつ言語理解能力がないのか?
理由を言え、理由を!!


「一体何が嫌なんだ?
佐久間がサッカーすることか、俺の仲間としてチームにいることか」

「…サッカーをする次郎は好きよ。
可愛いし、かっこいいし、ペンギン可愛いし、やっぱり次郎可愛いし」

「可愛いしか言ってないぞ……じゃあ、単に俺が嫌いなのか?」

「違うわ。あの可愛い次郎が、こんなわけわかんないゴーグルに憧れてるのが納得できないだけ!」


美咲はキッと俺を睨みつけ、まるで野良犬のように威嚇している。
ぐるるっと唸りはじめそうなくらい、恐ろしい剣幕だ。

だけど、美咲の思っていることはだいたい理解できた。


「なるほどな、姉離れが悲しいだけか。ガキだな」

「な、なんですって!?次郎は今でも私にラブだもの!私から離れたりなんか…しないんだから…っ」

「俺にも、妹がいる。
事情があって側にはいられないが、俺はあいつを、春菜をずっと思ってる」

「は?なに、あんたシスコン?キモい…」

「お前に言われたくはない。
自分に頼らなくなったことは確かに悲しい事だ。だけど、それを嬉しく思うこともある」

「……私は、ない…!!」

「いつか分かるさ、美咲にも」


立ち上がって、大人しくなった美咲を見れば、まだ少し威嚇した顔で俺を睨みつけた。でもどこか可愛いげがあって、佐久間そっくりの顔だけど、やっぱり女らしい。上目づかいが、不意に胸を高鳴らせた。




「私、やっぱりあんたが嫌いよ!」

「そうか。それは残念だ」

「なに、その笑顔!ムカつくわね」




その姉、見直す。
(少しくらい鬼道のこと見直し……いやいや、ありえないわ)
(何、一人で喋っているんだ?)
(黙れ、ゴーグルマント!)



[*前へ][次へ#]

4/75ページ


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!