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秋+10
秋くんは成長期らしい。平介に届かんばかりに成長している。久々に帰省して遊びに行ったら誰だか分からなかった。

「ハナおねえちゃん?」

「あ、きくん?わあ!おっきくなったね」

もう頭を撫でるような位置にはいない、おばさんもびっくりの成長っぷりに私はただただ驚くしかなかった。甘いものが好きなのは変わらないようでお土産にと渡したお菓子を見て目をキラキラさせていた。

「ハナおねえちゃん、綺麗になった」

「あらあら、平介ですら言わないようなことを言ってくれるのね」

「へーすけ、わかんないんじゃない?」

「言うわねぇ、でも秋くんも誰だか分からなかったよ、どう?学校は楽しい?」

「うん、でも昔みたいにハナおねえちゃんと遊べなくて寂しい」

「ふふ、秋くん可愛い」

ギュッと抱き着かれて思わずドキリとした。追い抜かされた身長も手伝っているのだろう、私の中ではまだまだ小さな秋くんでしかなくて頭を撫でてあげた。すると頬を膨らませて「子供じゃない」って文句を言う。

「好きだよ、ハナおねえちゃん」

「あら、私も秋くんが大好きよ?」


敵わない、相手



(小華さんの中では、まだまだあの頃のままなんだって思ったら、平介が羨ましく思えた)(小華さんのこと本気で好きだって‥ようやく彼女が初恋だって気付いたのに)(‥歯痒い)


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