最強な番犬(佐藤)
休日、ちょっと電車で遠出をしたら痴漢に見回れた。あと一駅だからと怖くて身を縮込ませていると、誰かがその痴漢の手を掴んだ。
ひっという声にスーツ姿の後ろ姿が見えて、ほっと安堵して後ろを見ると見知った顔が心配そうにしていた。
「さとう、く、「大丈夫?」
「うん、ありがとうね」
買い物袋で塞がった両手に、佐藤くんは苦笑していた。番犬連れなきゃ駄目だよと付け加えて片方の袋(重い方)を持ってくれた。
「番犬?」「平介」「‥番犬?」
平介が番犬になるのかどうかは分からないが取り敢えず、助けてくれて有り難かった。
「に、しても沢山買ったんだねぇ」
「だって、欲しかったものばかりでね」
「うんうん、俺さ買い物デートって好きじゃないけど、小華とだったら構わないからさ」
構わないからともう一度言って「今度誘ってよ」と笑った。
「番犬代わりにどうですか?」
「平介よりは頼もしいかもね!」
お礼は一緒にいられる時間・プライスレスって言われても、よくわからんけどね
オンナノコの買い物に付き合うって大変だよね
買うものが決まってる小華なら大丈夫そうだもん
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