(秋)
秋くんの背中から哀愁が漂う、平介の家に遊びに行ったのはいいんだけど何やら平介が原因らしい。と言うよりも秋くんに何かあると八割がたは平介が原因な気がする。
「秋くーん」「ハナおねいちゃん」
「お菓子作ってきたよ」「ハナ俺には?」
「はいはい、食べたかったらお茶いれて」
「えー」「ほらほら」
秋くんはキョトンとして私を見上げていた。ああきっとすぐに大きくなって私なんか追い越しちゃうんだろうなと思いながら秋くんを膝に乗せてギュッと抱き着いた。
「おねいちゃん、へーすけとこいびと?」
「ちがうよ、親友‥かな」
「しんゆう‥」
「鈴木くんと佐藤くんとかとおんなじ、大切な友達」
「‥しんゆう、なの?」
「大切すぎてね、恋人に出来ないの」
「どうして?」「難しいねぇ」
「むつかしい」「うん」
秋くんが悩んでいたのってこの事なのかな?違うのかな?
「今日はね、和菓子だよ」
「おねいちゃんのお菓子、好き」
「ありがとう。秋くんもすぐに出来るようになるよ」
悩み多き五歳児
「お茶ですよー」「わーい」
「え、なんであっくんがハナの膝に‥!」
「可愛いでしょう?こんな弟欲しかったんだよねぇ」
「‥おとうと(がーん)」
「え?なんでショック受けてんの秋くん」
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