秋+10
いつの間にか秋くんが私を名前で呼ぶようになった。初めは吃驚したけど、今はようやく慣れて遊びに来てくれる秋くんとお菓子を作るようになっていた。
「小華さん」「ん?」
「平介と俺、どっちを旦那にしたいですか?」
「‥なんでその二択なのかな?」
「他の男は選んじゃ駄目ですよ」
「なんでそうなるのかなあ」
「どっちを選びます?」
唐突すぎる秋くんの問いに私は苦笑しか出来なかった。それにいつの間にこんな意地悪な表情をするようになったのだろう、秋くんを見上げて「選べないよ」と肩を落とした。
「なぜ?」「二人はもう家族だもん」
「俺は、好きですよ?」
「海藤くんにも同じようなこと言われたばっかりなんだけどな」
「だめ、ねえ小華さん俺を選んで下さい」
「あの頃の可愛い秋くん帰ってきてえぇぇ」
告白されて居心地悪いなんて
恋人通り越して旦那なんて言うんだもん、秋くん意地悪だ!
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