ダウト(大人リボーンとツナ)4
腕を引かれて立たされ促されたその場所に
一瞬だけ戸惑いが訪れて、開けられたドアの前で立ち止まってしまう。
薄暗い室内にはクイーンサイズのベッドが存在を主張するかのように置いてあった。
「どうした?やめるか?」
自分で決めろと言わんばかりに腕を組んで佇む姿もかっこ良く、
先ほどのキスで翻弄された体はやめたくないと訴えていて。
自ら一歩室内に足を踏み入れた。
「…バカだなやっぱり」
「…わかってる」
リボーンが後ろ手に扉を閉めた。
「これから何するのかくらいわかんだろ?」
「わからないから、教えてよ…リボーンが」
「お前…」
「今更やめるとか言わないで」
ぎゅっとリボーンのスーツの裾を握ると
お願いと呟いた。
ギシッとベッドのスプリングが二人分の体重を受け止めて軋んだ。
薄暗い室内のベッドヘッドについたオレンジの灯りが天井をゆらゆらと漂い、
綱吉は自分の見ているものが夢のように感じていた。
スーツの上着を脱ぐ手つきや、ネクタイを緩める仕草一つ一つ優雅で見とれてしまう。
スツールに上着を放ったリボーンの視線が、改めて自分に注がれる。
「もう待ったはなしだ」
「うん…リボーンが知ってること、教えて?」
揺れる琥珀の目で真っすぐと見つめて、精一杯の強がりで誘った。
ただ一度、ちゃんと知っておきたくて。
自分の身体に刻み付けてしまいたい。
未来も一緒に居られる保証なんてどこにもないから。
だから
お願い
視線を絡ませて気持ちを伝えるように縋った。
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