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ダウト(大人リボーンとツナ)2


「おーい…リボーンいるのか?」
 
夜の学校は不気味で、そっと開けた非常ベルのついた扉の向こうに明かりが
見えただけでも内心ほっとした。
内装はひどく煌びやかで、ふかふかな絨毯が足に心地いい。
珈琲のいい香りが鼻孔をくすぐって、ここにリボーンがいることは
すぐに伺い知れた。

「どこかな」

さらに足を踏み入れて、簡易についたキッチンをのぞくと
黒尽くめのスーツに身を包んだ背の高い男が、カップを片手に
カウンターに背中を預けていた。

「遅ぇぞ」
「………」
「………」
「え……?」
「死ぬか」
「えーーーーーー!!」

ツナの足下をねらって放たれた銃弾や、その仕草、帽子のレオンは
間違いなく…かの家庭教師そのもので。
しかし姿形はまるで大人のそれ。
頭が一瞬で真っ白になってしまった。

「り、リボーンなの?」
「わからなくて当然だがな」

すっと飲んでいたカップを置いて、ボルサリーノを被り直し
漆黒の瞳がこちらを見た。
口元だけで嫣然と笑うその姿に目を奪われてしまう。

一歩、流れるような動作でこちらに近づき
すぐ目の前まで寄ると、耳元でその人は囁いた。

「今日だけ、特別だ」

と。

「反則だよ…リボーン…」
「何がだ」
「こ、こんな…カッコいいなんて」
「合格だ」

壁際までさがった綱吉を長い腕で囲い込むと視線を合わせた。
深淵を思わせる漆黒の瞳が琥珀の瞳を射るように捉え
黒曜石よりもさらに深い黒が猫のように細められた。

「知りてぇんだろが、恋愛のノウハウってやつを」
「知りたい…よ。」
「好きなやつでもいんのか?」
「………いる…」
「ダメツナのくせに生意気だな」
「…うるさいよ」
「そいつにされてるとでも思っておけ」
「…鈍感」
「都合がいいんだよ、その方が」
「酷いよ…」
「一度だけだ。しっかり覚えておけ」
「リボ…」



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あきゅろす。
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