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夜の向こう

(2010 骸ハピバ日記ログより。)



ギシリとベッドが自分以外の重みを受けて軋む。

「骸……だろう?」

眠い目を擦りながら、薄闇に上半身を起こす。

「クフフ…やはり何年たっても君にはわかってしまうのですね」

「わかるよ…お前の気配なら。せっかく脱獄してきたのに、ボンゴレに近寄ろうともしない……」

「僕はマフィアじゃありませんしね…君の守護者達と群れるつもりもない」

「その言い方、雲雀さんみたい」

フフッと笑うと、少しムッとしたような骸にベッドに押し倒された。

「やめて下さい。雲雀恭弥と一緒にするのは」

「骸、重い…」

「幻影でも有幻覚でもありませんからね…」

ギシッとスプリングが軋んで、綱吉を跨ぐ形で乗り上げた骸の体重を心地好く受け止める。

下からそっと手を伸ばすと長く伸びた髪を絡めとり引く。

眼前まで近づいたオッドアイを見つめて、お帰りと呟くと少し驚いたその瞳が僅かに揺れて、貴方も…お帰りなさいと囁かれた。

お互いの長い眠りから。


「しかし、貴方にとっては僕が帰らない方が良かったのでは?今度こそ、美しく成長したあなたの身体………頂きますよ?」



「あげるよ……お前に」

吐息を零すように唇が触れそうなほど近く、自ら囁いた言葉を霧の守護者は受け止めてくれるだろうか。

「どれだけ、待たせたら気が済むわけ?いい加減………骸のものにしてよ」

顔横に置かれた手が拳を握るのが見えて、馬鹿な事を言ったかな、などと思考を巡らせる。

「……今度は…冗談じゃ済ませませんよ?」

「いいから…ちゃんと本物だって証拠見せて」

触れる事のできない身体を持つその幻術も、夜ごと逢いにくる有幻覚も、もううんざりだ………。

「沢田綱吉…」

「骸」

長く触れられなかったその体温を直接唇に受けとめた。

啄むような口づけを何度も繰り返してやがてあがる熱ごと深く奪われるそれに本物だと知る。

「……んっ…む…くろ…」

「何ですか?」

薄く細められたオッドアイが綱吉を捉え視線を絡めると柔らかく破顔した。

それにさえ熱くなる身体を抑えようもなく。

耳元に寄せた唇から祝いの言葉を紡ぐと、一度だけきつく抱きしめられて待ち焦がれた夜の深い闇へとその身を委ねた。


『誕生日…おめでとう骸……』




おめでとうございます骸さまっ(笑)

久々の6927でした!







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あきゅろす。
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