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もどかしいのはお互い様 10(完結)


離れる瞬間、寝ていると思っていたリボーンに
手首を掴まれて咄嗟に逃げる間もなく、視線ごと掴まった。

「熱烈なおはようのキスだな…」
「り、ぼーんさん…起きていらっしゃいましたか…」
「ああ、起きていらっしゃいました」

にやりと口角をあげて笑う顔に、素面で聞かれると
こんなに恥ずかしいのかと思う告白つきでキスまでして。
穴があったら入りたいなんて考えて。

「体大丈夫か?」
「え…」
「無茶させたからな」
「う…ちょっと、怠いし痛いけど…何か、その」
「?」
「凄い…幸せだから、だいじょーぶ」

へらっと笑った俺の顔に
リボーンが固まって、ふぃっと顔を横に背けた。

「リボーンどうしたの…?」
「うるせ…」
「あれ、もしかして照れてる?」
「ツナ、お前なっ」
「うわっっ珍しい!!凄い初めて見たかも!!」
「ちょ、黙れ」
「あのリボーンが照れてるなんて、んっっ」
「……」
「………」
「狡い…顔見れない」
「見れないようにしてんだよ」

唇を塞がれて、抱きしめられて
そのまだ幼さの残る胸元に顔を埋めた。
温かい体温に身を任せているうちに
髪を撫でられて、リボーンが呟いた。

「長かったゾ…」
「ん?」
「こうなるまで」
「ほんとだね…」
「あのまま呪いで死ぬと思ってたからな」
「リボーンは死なせないよ」
「ツナ…」
「おれが絶対に死なせない」
「はっ、心強ぇな。でもなお前も絶対に
俺が護る…」
「嬉しいよ、リボーン」
「泣くな…」

掌で涙を拭われて、目元にもキス。
涙が残る顔でリボーンを見つめたまま
もう一度好きだよと呟く。

「もうお前は俺のものだゾ、自覚しろよ?」

とん、と首もとを指で指されて
鏡に映ったソレに顔が赤くなる。

「いつの間に…」
「お前が意識飛ばしてる間に」

ニヤリと笑われて、色々と思い出せるだけ
思い出しても最早羞恥しかない。

「…ばか…」
「なに?」
「こんな印がなくっても、俺はもう
ずっと前からリボーンのものだよ」
「!…ったく、さっきから無自覚に人を煽りやがって…」
「……そんなに、無自覚でもないよ?」
「また襲うぞ」
「おれはデスクワーク、リボーンは昼からお仕事★
さて、どうする?」
「ちっ、可愛くねぇ大人になりやがって!
帰ったら覚えてろよ」
「はーい、さて取りあえずなんか食べよ!」
「腹減ったな…」
「夜会…無事におわったかなあ?」
「優秀な部下が山程いんだろ」
「そうだねぇ♪」

少し怠い身体をおこして、シャツに手を通す。
きっちりとネクタイまでしたところで、
リボーンに腕を引かれた。

「ツナ、朝飯は赤飯だな」
「へ?」
「獄寺が用意してるはずだ」
「な、え?なになに?!」
「替えたシーツ、お前の血がついてたからな」
「!!!り、り、りぼ!!おまえ…」
「優秀な部下を持って良かったな☆って言っただろ」
「バカーーーーー!!!!」

ぺろりと舌を出して悪戯に笑うリボーンと、追い討ちのように
十代目朝食の用意が出来ました…なんて暗い隼人の声が
重なって心底恥ずか死ねると思ったおれだった。





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