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もどかしいのはお互い様 1(リボツナ)
24綱吉12リボーン設定





最近すこぶるリボーンの機嫌が悪い。
理由はとてもわかりやすいんだけど、それは俺にも
どうにも出来ない事で…

「ねえ綱吉、いい加減僕にしなよ」
「いや、十代目は俺だ!!」
「ツナは俺なのな〜」
「あははは、ごめんな悪いけど…今年も俺は…」

リボーンじゃないといやなんだよ。

毎年行われるボンゴレの夜会で、必ずペアとなって
ダンスをしなければいけないと言う忌まわしい風習があって。
しかも相手は女性でも男性でも構わない。
そして他の同盟相手も参加するものだから毎年とても
盛り上がるのだ。
その相手探しで皆何故か俺を誘ってくるので、その日仕事の
入っているリボーンはとてもイライラしていた。
まだ俺より頭二つ分ほど小さいリボーンは、きっちりと着た黒のスーツ
姿で、行って来るも言わず部屋を出て行った。


「はー…もうなんで皆俺なわけ?うちにはかなり可愛い子
揃ってると思うんだけどなー…」

自室に戻りソファにもたれかかると、はあっとため息をついた。
着ていたスーツの上着を脱いでネクタイを緩めると、
今はいない誰かの事を思う。

明日の夜会にはおそらくリボーンは間に合わない。
思い出すと憂鬱に追いつかれそうになってしまう。
最近はリボーンのリードで何とか踊れていて、この年になっても
社交ダンスの一つも上手に踊れない。
かと言って、他の誰かを探す気にもならなくて。

「もーっリボーンのバカっ」

飲みかけていたワインのグラスをそのままに、
ソファからベッドへと移動した。
シャツには零したワインの染みがついていて、情けなくも
深いため息が出てしまう。

「リボーンとしたい」

ため息と共に本音も零れ落ちて、ひらりとベッド下へ。
アルコバレーノの呪いが解けてからリボーンや他の赤ん坊も
着実に成長している。
しかし今年24の綱吉に対して、まだおよそ12歳のリボーン。
どう考えても犯罪くさい感じは否めない。
元から大人だった彼の事を思えば何ら問題ないように
思うのだが、何せ見た目が子供で。
イタリア人の彼だから日本人の綱吉よりも遥かに成長は
早いものの、年齢的に考えると…

実に辛い。
共に歩んで行こうと約束も交わし、その覚悟ももちろんある。
今更他の誰かに靡くこともない。
まして女性を相手にするなどと、形だけならばあるが、
考えられない。

いつだって、リボーンだけ。

「それなのにリボーンは何もわかってない」

苛ついているその態度をあからさまに、他の守護者にも
鋭く威嚇しながら本部から出て行った後ろ姿を思い出す。
赤ん坊だった頃より今は色々、本当に色々したりされたり
だけど、それでもおそらくもどかしいのはお互い様だろう。

とりあえず今持て余してるこの熱だけでも、簡単にどうにか
してしまおうか。

深夜過ぎの寝室で、綱吉はアルコールで火照った熱のまま
下半身に手を伸ばすとすでに形を変えているそこに
もう一度ため息を零した。




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